不倫関係と仕事から抜け出して、好きだった祖母が澄んでいた北海道・小樽の家で、たった一人初恋の人を待つ貸本屋を開業する30歳女性のお話。
……身も蓋もない書き方やな……
他のレビュアーがヒーリングミュージックと書いていましたが、まさにそういう小説だと思いました。
情景描写は巧みですし、小樽の丘の上にある洋館に本当に行ってみたくなります。天井の高い部屋に時間旅行の小説が並ぶ本棚、大きな窓から柔らかく差し込む陽光、細い湯気が立ち上る紅茶の香り……あぁ、良いよねぇ。
各章を時間旅行の名作のタイトルを用いてみたり、仕掛けもふんだんに加えているのですが、何かこれというポイントが見つからないんですよね。時間旅行と重ね合わせている割には不発気味やし。
好きな雰囲気ではあるけれども、人にお薦めするのは難しいなぁ。