この夏は時間SF小説を読んでみようという試みの第2弾。マイクル・クライトン著「タイムライン」(上・下)を読み終えた。かなりボリュームはあるが、現在と中性を舞台に残された時間が迫り来る中を交互に切り替えながら物語は進行するので、ちょうど24(Twenty Four)を見ているような感じで読み進める。
量子テレポーテーションや多世界解釈などを駆使して、人間そのものを14世紀という世界へ送り込むテクノロジーが開発されたという設定だ。
現実には、光子や電子といった素粒子の世界では、可能になっている技術ではあるらしいが、もちろん人間は素粒子と違うので、そう簡単にはいかないだろう。
しかしながら、多世界解釈という考え方自体は、物理学者の中で少数派だとはいえ、理論的説明として生きている。
そして作者は言う「我々の技術は時間旅行とは何の関係もない。我々が開発したのは、むしろ一種の空間旅行だな。正確に言うと、量子テクノロジーを利用して、直交する多宇宙の座標を変動させているんだ」
マイクル・クライトンは、「アンドロメダ病原体」や「ジュラシック・パーク」で有名な作家だが、今まで私は読んだことがなかった。また、医学部出身であり、「E救急救命室」の原作者でもある。
今回読んでみてなかなかにスリルとスピードのあるいかにも映像受けする小説という感じがした。
2008年11月4日に喉頭癌で亡くなっている。66才であった。