これは、広瀬正氏本人が編纂したものではなく、同氏の死後、関係者が単行本化されていない同氏の作品を纏めたものです。そのため、タイトルは「タイムマシンのつくり方」となっていますが、タイムマシンとは無関係な作品も多く含まれています。そこで、他の広瀬作品で感動した方が、この本を読むと、肩すかしを食ったように思えてしまうかもしれません。
しかし、私のように、広瀬作品にすっかり惚れ込んでしまうと、広瀬作品を理解するために、この本は欠かせません。広瀬氏がいかに不遇な時代を送ったか、そのときの葛藤と苦難の作品がわかります。「『時の門』を開く」は、小松左京氏の推薦で掲載されたとありますが、たしかに立派な作品の一つです。また、短編ではなく、長編化して欲しかった作品も含まれています(個人的には、タイム・セッションと鷹の子が好きです。)
星は万人向けではない、という意味で4つですが、広瀬正ワールドを堪能したい方には必読です。