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タイマ
 
 

タイマ [単行本]

嶽本 野ばら
5つ星のうち 2.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

大麻所持で逮捕された僕と彼女の運命の恋

 ある日、新宿をひとりで歩いていた小説家の「僕」は警官に呼び止められ、大麻所持の現行犯で逮捕される。それから執拗な尋問、家宅捜索、過酷な留置所での生活が始まった。しかし、僕にとって何よりも辛かったのは、最愛の恋人・あいとの連絡が全くとれなくなってしまったことだった。ストリップ嬢のあいと僕は運命的に出会い、お互いの唯一の理解者として、純粋な愛を育んでいた。だが、ようやく釈放された僕があいと再会すると、なんと彼女は僕の真似をして、ドラッグに手を出していた。薬物がいけない理由は「愛する人を傷つけてしまうから」だ――嶽本氏が作家としての答えをはっきりと表明した、悲しいほどに一途なラブストーリー。

内容(「BOOK」データベースより)

ふざけんじゃねぇよ。ある日、新宿を歩いていて警官に捕まった小説家の「僕」は、大麻所持の現行犯で逮捕される。それから執拗な尋問、家宅捜索、過酷な留置所での生活が始まった。最愛の恋人との仲も引き裂かれ―。ようやく釈放されて、彼女と再会した僕を待ち受けていたのは、さらなる悲劇だった。

登録情報

  • 単行本: 286ページ
  • 出版社: 小学館 (2008/03)
  • ISBN-10: 409386215X
  • ISBN-13: 978-4093862158
  • 発売日: 2008/03
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 324,218位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
大きなお世話なのかもしれないけれど、僕は、この本を読んで悲しくなった(ついでに、お金と時間を返せ、とも思った)。逮捕という大きな出来事も、野ばらをとりまく関係を変化させることはなかったのだな、と思った。

一応、自身の逮捕を題材にしている。登場人物の設定はフィクションなのだろうけれど、逮捕された経緯、供述の内容(知り合いから大麻を分けてもらっていたが、数ヶ月前にその知り合いと連絡が付かなくなり、しかたなしに海外で買った、というところ)やなんかは、事実通りだ。

ストーリーは、今までの野ばら作品と何ら変わらない(ある意味、すごい)。作家の「僕」が「君」に対して語りかける、いつものラブストーリー。ただし、このパターンの物語としては、野ばらの中では、かなり出来が悪い、と思う。どうしても、どこか、自分を弁護しようとする力が働いて、「僕」が必死なのだ。こういう自分語りな文体は、必死になってしまうと、どうしても、自己愛が勝ちすぎて、見苦しくなってしまう。野ばらの言葉で言えば、諧謔が、失われる。そのさじ加減のうまさが野ばらの野ばらたる所以だったのだけれど、今回は、そこが、どうしても、読みづらい。

270ページにわたって、延々とじめじめした泣き言のような文章を読んだあとで、やっと、10ページほど、少しだけ外に開けた文章に出会う。ここで、「僕」は、「君」との愛に気づいて、「君」に許される。

「君」としての読者は、これを、どう受け止めるか。なんだか、野ばら信者としての、踏み絵をさせられているような気になる。正直、今回、今までの作品の焼き直しのような物語は、つまらないことこのうえない。この作品の価値は、ただ一つ。自身の逮捕をネタにしているということだけ。作者にとっても、読者にとっても、物語云々はどうでもよくて、ただ、これからもファンでいられるかどうかを試されるだけのような。

作品の価値とは別のところだけのための本が書かれて、それが読まれる。そんな関係は、作家と読者の関係ではない気がする。僕の好きだった、以前の、自立した作品たちは、そんなことはなかった。だから、逮捕後に刊行された『幻想小品集』の、読者を突き放したような作風に期待したのだけれど。

これからの野ばらと付き合うには、作品の読者である前に、まず、「野ばらのファン」として、彼自体に寄り添わなければならないみたいだ。野ばらも、読者も、変わらない、関係の安定を選んでしまった。それは、もう、作家とも読者とも、パンクとも、乙女とさえも、呼べない気がするのだけれど、こんな僕の声は、きっと自立せずに寄り添い合う強固な関係の前にかすんでしまうのだろう。そこに、今の世界が見える気がして、そのことだけは、この作品の力と呼んでもいいものなのかもしれない。
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44 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ゾーッとしてしまいました。幼稚園児の主張、という感じ。
なんて言われたのを知ったら、のばら氏は憂いの表情で軽く首を左右に振り、「……ボクだけが傷ついている……そうさ、ボクが振り上げる拳なんて脆いもんさ、それがパンクなんだ……」と囁いてくるかもしれません。
それが気持ち悪いというのです。

薬物所持で逮捕され、留置場で過ごすなんていう経験は滅多にできるものではないと思うので、しかも氏は作家だし、これをテーマに書くと決めたんなら今までのとは一味違った、もっとムケた作品ができたに違いない!と期待して本書を手に取りましたが、「ゾー……」でした。

どう考えても薬物やってるなんて間違ったことだし、逮捕されたなんてダサいし、そこを直視して「世間に顔向けできない」という完全に打ち負かされてボロボロになった気持ちでペンを執った……のではなかったようです。
パンクだなんだの、恋人との愛がなんだの、非文化的な警官が荒い言葉(ふざけんじゃねぇよ!等)で責めてくるだなんだの、それらは結局幼稚園児である「ボク」を理解してくれない、「オトナは分かってくれない」的世界なんである、という実に稚拙な主張に過ぎません。

本書には★一つしかやれませんでしたが、他の著作は面白いと思うし、独特の世界観が構築されていると私はちゃんと思っています。ただ、これはちょっと……。
せっかく一皮ムケれるチャンスだったのに、変な自己愛にしがみつきすぎたせいで作家として上に行けませんでしたね、残念です。
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
これまでの作品とは一線を画す復帰作?!と最初の一行目で期待してしまいましたが、本質的なテイストは残念ながら同じ。
明らかにフィクションとノンフィクションが入り混じった薄っぺらさが荒唐無稽で逮捕劇を絡めたラブストーリもどきに飛躍しすぎた印象に物足りなさを感じてしまった。
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