タイポグラフィ、デザイン、活字だけでなく、組版から印刷までを、歴史的な記述も多く網羅している。章ごとに独立しているので、拾い読みが出来る。知ってることも知らないことも沢山載っていて、気の向いた箇所を読んでみると楽しい。図版も多いので見ていても楽しいです。前書きにも断り書きがありましたが、執筆者の間で用字用語は統一されていません。
歴史の面では紙の発明と伝播の解説はあって面白かったです。活字の広まり方についての解説は無かった(中国とグーテンベルクの紹介のみ)。ヨーロッパの筆写の歴史と活字の普及についての解説もあれば良かったです。ただし、字体の歴史の解説はあります。組版については基礎的なことを知っているのですが、ちょうど和文の縦組について調べていたので、便利でした。
気になったのは、和文の横組の解説が無い、数式等のある理工系の文字や組版についての解説も無い。また欧文の句読点の説明(いろいろな言語圏で異なります)が無かった(ちょっとまちがっているような)。コンピュータについては余り詳しくない(アップルの人の解説があるが)上に、PDFについての解説が無いのが、残念でした。執筆者の年齢が高い(50歳以上)のも、すこし気になりました。とは言うものの、1冊あると便利です。