ユングの膨大な著作の中での最高峰。特に本書の「定義」には、ユング理論のすべてが、あますところなく書かれている。
「タイプとは発達の偏り」である。 『タイプ論』心理的諸タイプより
内向タイプへの偏り、外向タイプへの偏り、思考タイプ(思考機能)への偏り、感情タイプ(感情機能)への偏り、このような一面的なタイプへの偏りが、コンプレックス(個人的無意識)を発生させ、心のエネルギーの減少となり、精神病・うつ病を発生させていることを発見したユング。世間でもてはやされる外向型でさえも病因となりうる、という驚愕の事実がここにある。
精神病・うつ病の原因は、「〜しなければ・〜でなければ」などの偏狭な価値観・道徳観が、反応の癖である「構え」を一面化させ、それが固定化し「タイプ」となる。これが「コンプレックス」を発生させ精神病・うつ病の原因となっている。その正当性を、フロイトのように独善的理論にならないよう、宗教・哲学・文学・精神医学などからの引用で確認している。
ユングを正確に知り尽くしたユング心理学第一人者・林道義博士ならではの卓越した翻訳、これ以上の翻訳はない正確でわかりやすい翻訳。
精神医療関係者はこの本以外に何か読むべき本があるのか?もちろん病気で苦しんでいる方もユング『自我と無意識』から読まれて、この本を読まれるといいと思います。