ジュール=ヴェルヌという閉ざされた空間でのみ話を展開していけば、遠からず閉塞感から外へ出ざるを得なくなるだろうと思っていたので予想通りの展開だった。
そう言う意味で、意外性や目新しさは何もない。
それにしても、話の作りやエピソードはワンパターンだし、作者は自らが創り出した三四郎とカイというキャラの魅力に寄りかかりすぎではないのだろうか。
いつまでもグルグルと同じところで悩んでいるばかりで成長の跡の見えないカイと、何をどう経験してもまるで学習した様子のない三四郎の話で、この先どこまで引っ張り続けるつもりなのかと思ってしまう。
心理描写とは、くどくどと同じコトを手を変え品を変えて書くものではない。ぐるぐるしているように見えても、少しずつ螺旋を描くように移動してくれなければ、読者は飽き飽きしてしまう。
作者本人は、様々な伏線を張りつつ話を進めているつもりかもしれないが、これはただ単に広げすぎた大風呂敷がたためなくなっているだけとしか思えない。