十二の頃から田中芳樹氏の熱狂的ファンであった自分には、ここ最近の氏の姿勢が悲しくてなりません。
ただ単に書きたい放題書いているとしか思えない「薬師寺涼子」シリーズばかり乱発し(アニメ化と垣野内氏の絵で金が入るんでしょう)、多くのファンが待ち望む続編は若手作家に代筆させる。たまに自分で出す続編も、過去の傑作がかすんで見える凡作ばかり。後は以前売れた作品を、装丁を変え、出版社を変えて幾度も刊行し、真剣に氏の小説を愛するファンの財布から金を出させて高笑い。これほどモラルのない作家がそういるでしょうか? 過去に氏が見せていた真摯な姿勢はどこへ行ってしまったのでしょうか? 今作「タイタニア」も、十六年経っても結局続編は書かれず、徳間、スクウェアエニックスからさらに講談社に移って、第一巻からの再刊行となりました。表紙は今風でなかなかのものですが、それ以外の魅力はゼロ。ただ単にアニメ化で金が稼げるから出したという印象です。
本当に氏の小説を愛する方はよくお考えください。こんな商法に乗って金を出すことが正しいか否か? 過去の氏の小説で主人公たちの思想の高潔さに心を震わせた方ならば、きっと答えが出るはずです。