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タイに渡った鑑識捜査官
 
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タイに渡った鑑識捜査官 [単行本]

戸島 国雄
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商品の説明

内容紹介

警視庁きっての鑑識のプロが、タイの事件現場で見たのは、日本の緻密な科学捜査とはほど遠い現実だった。事件現場にはヤジ馬が入り込み、捜査官は手袋すら着用していない──自ら捜査の第一線に立ち、実地で教えた多くの鑑識技術は徐々にタイ警察に浸透し、検挙率は飛躍的にアップ。2004年のインド洋大津波では10名の部下を率いて最初に被災地に入り、3カ月間にわたって遺体の身元確認に従事した。タイの犯罪捜査に技術革命をもたらした警察OB感動の記録!

著者について

戸島国雄(とじま・くにお) 1941年1月1日生まれ。1960年自衛隊に入隊。1965年警視庁巡査。1970年警視庁刑事部鑑識課現場写真係。三島由紀夫割腹事件、三菱重工爆破事件、ホテル・ニュージャパン火災、日航123便墜落事故、オウム真理教関連事件などを担当。警視総監賞部長賞等107回受賞。1995年JICA(国際協力機構)の専門官として、タイ内務省警察局科学捜査部に派遣され、犯罪捜査および現場鑑識の指導にあたる。1998年帰国。警視庁似顔絵捜査官が設立され、犯人手配用の似顔絵専門捜査官001号の任命証を警視総監より受理。2001年警視庁を定年退職。2002年3月JICAのシニアボランティアとしてふたたびタイに渡る。警察大佐を拝命。2004年12月、スマトラ島沖地震による大津波発生の直後から被災地に入り、遺体の身元確認に従事。2011年7月帰国。『似顔絵捜査官001号(仮題)』の出版も予定。

登録情報

  • 単行本: 303ページ
  • 出版社: 並木書房 (2011/9/10)
  • ISBN-10: 4890632794
  • ISBN-13: 978-4890632794
  • 発売日: 2011/9/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By 左党犬 トップ500レビュアー
 単身でタイ社会に飛び込んで、カラダを張ってタイ警察で鑑識実務を実地指導してきた「鑑識36年のベテラン」の著者による、マッチョな無茶な生き様をつづったドキュメントである。あくまでも「現場」に徹底的にこだわりつづけた著者のエピソードが満載、内容も盛りだくさんで、単行本三冊分以上にも相当する。読んで面白い、じつに貴重なレポートである。

 最愛の妻を病気で亡くし、茫然自失の日々を送っていた54歳の日本警察の鑑識捜査官は、JICA(国際協力機構)が募集していたタイ国派遣事業に応募し合格する。新天地の仕事で気分一新しようと思い立った著者は、二年間の任期の新しい仕事にとりかかるのだが、これが最初から「想定外」のことばかりで、読んでいるこちらがハラハラしてくるほどだ。

 現地での仕事は、基本的に数ヶ月に一回の鑑識セミナーの実施のみ。しかしそれに飽き足りない著者は、一大決心のもと現場に飛び込んで肌身をつうじてタイの現状を把握することからはじめる。「上から目線」の教えてやるではなく「現場」に飛び込んで、現地の鑑識捜査官たちとともに汗を流すことが必要だと悟ったからだ。

 本書で語られているのは先駆者の苦労の数々というべきだが、それにしても、著者が現場で指導するまでのタイ警察の実態には驚かされることばかりだ。著者がタイに飛び込んだ1995年当時は、警察の鑑識などあってないようだと言っても言い過ぎではなかったのだ。タイ人特有の「マイペンライ」意識のいいかげんさと同時にプロ意識も濃厚なタイ警察の警察官たちの素顔も面白い。

 著者みずからが「現場」に飛び込んでかかわったエピソードのひとつひとつはとてもハンパなものじゃない。数多くの殺人事件、運河でのバラバラ遺体発見、スラム街での火事、バンコクにいる日本の暴力団との命がけの渡り合い、タクシン首相時代の「麻薬撲滅作戦」、クーデター、プーケットを襲った2004年の「インド洋大津波」での膨大な遺体の鑑識作業などなど。まさに、日本人鑑識捜査官によるタイ王国事件簿とでもいったらいいような内容だ。灼熱の国タイは事件においても原色の世界なのだ。

 観光ガイドにはけっして書かれることのないタイとタイ人のほんとうの姿を知りたい人、鑑識捜査官の仕事の実際について知りたい人、タイ人を部下にもっている人、南部のリゾート地に大被害をもたらした大津波の現場がどんな状態であったかを知りたい人にはぜひ薦めたい一冊である。

 ただし、挿入された写真にボカシが入れてあるが、文章にはボカシはいっさいない。心臓の弱い人は読まない方がいいかもしれないと付け加えておこう。
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