D・フィンチャー監督の映画でも主人公としてゾディアックの情報を集め回る新聞記者ロバート・グレイスミスが、この事件で集めた証言、証拠品等を600ページに渡って見せてくれます。
その表現は、あくまで冷静で第三者的なものに留められています。著者の仮説も控えめです。そのために、この本を読んで、ゾディアック事件の真相を推理してみる楽しさもあります。
「性的サディスト」で、頭脳明晰ながら残酷な性格を持ち、母親への復讐心から女性との関係が持てず、自傷願望を持つ男。これが一つの犯人像です。
日本人の目から見れば、目撃者がこれほど存在し、指紋、手紙の筆跡、遺留品と、これだけ条件が揃えば、迷宮入りする事件とはとても思えませんが、そこがアメリカなのでしょうか?