文章力はそれなりに高水準。読み易くスピード感のある文章。
特に世界観の説明が上手く、冗長にならず綺麗に纏められている。
シチュエーションもこの手のデスゲーム物が好きなら魅力的だと言える。
ただ一方で、心情描写にかなり大きな爆弾を抱えておりこれは以後もずっと続く。
要するに人間の内面を説得力を持って表現するのが下手な為、
主人公もヒロインもネット小説にありがちな自己満足の産物になってしまっている。
ネット上で発表する分にはそれで良かったのだろうが、商業作品として考えると微妙。
吉野 匠著“レイン”と同じ物が根底を流れている様に感じる。
とは言え、さらっと読めるファンタジー風味の作品を求める読者にはお勧め出来る。
主人公最強ハーレム物(但し主人公は朴念仁)の御約束が好みに合うならば尚更だろう。
ただ、MMORPGを期待してはいけない。
この作品はあくまでファンタジー風のSFであり、
描かれているのはMMOとは似て非なる物である。
逆にMMOに馴染みの無い読者からすれば、特に違和感無く読めるかと。