前作「つながる脳」がおもしろかったので、立て続けに「予想脳」そして本書を読んだ。脳科学ブームが去ると同時期に私も脳科学の本を読まなくなった。ブームが去ったから読まなくなったのではなく、著者が指摘するよう 閉じた環境での実験結果に飽きてきたのである。「脳の**の部位には@@の機能もある。」って発見がなされたところ、それがどうしたの?って感じだったのである。
その脳科学に対する懐疑心を一挙に取り去ってくれたのが藤井さんの一連の著作である。今、脳科学が抱えている問題点に対しそれを丁寧に明らかにするとともに、バカ正直ぐらいに取り組む姿勢は「すごい」と思うと同時に「大丈夫かよ、こんなこと書いて?」と思ってしまった。
私自身しっくりこなっかたミラーニューロン説への解釈、感情と情動のちがいを基礎にダマジオのソマティック マーカー仮説への説明などはすごくわかりやすい。ベンジャミン リベットの実験結果などは一蹴りである。読んで思わず笑ってしまった。
ソーシャル ブレインズ この分野が今後煮詰まった脳科学を打開すること期待しているのだが、今後注視していきたい。
ただ、著者の視点には肉体というというものが抜け落ちていると思う。ネットワークのみで脳、 あるいは社会を説明できるとはとてもじゃないが思えないのである。養老 孟司さん(だったと思う。)が言った「頭(脳)のない生物はいるが、身体のない生物はいない」という言葉を思い出す。