大著です。
SNSやら何やら、いろいろ、みんなやってる。
でも、個別の糸を丁寧に拾って、それを掘り下げ、具体系に
目の前で何が起こっているのか、を細かにつなぎ合わせると
見えてくる、古い社会構造の崩壊と、新しい価値観、産業構造の
未来が。
著者は、twitter,Facebook,mixiその他、様々なSNSで起こった、
生活者のつぶやきが巻き起こした、産業革命を、丁寧に、丁寧に
拾って、その意味を解き明かしていく。
これでもか、といわんばかりに、実名の企業の、ソーシャル
ネットワークへの関わりと、生身のマーケティング、本音の
マーケティングを取材していく。
中盤までは、企業のミクロな話が続き、「ちょっとどうかな」「他のメディア
で語られたことの2次情報の加工でねえか?」的に、色めがねで読み進む。
でも、大震災時、NHK_PRがtwitterで行なったくだりを読んで、涙が出てきた。
この感動は、事実がそうであった、というより、当時、ネット上で飛び交った
デマやノイズの中から、確かな、人々の判断と行動を丁寧につないで、読者に
読ませた著者の手腕だと思う。
後半には、中国地方の豪雪時、コンビニ「ポプラ」の社員が行なった、個人として、
社員として、社会の一員としての行為が、ソーシャルネットワーク世界では
どう波及し、どう企業のブランディングに影響するのか、を具体的に解き明かしていく。
とにかく、具体例、具体例、それに、様々なレファレンス情報を縦横無尽に
コンポジットして、社会構造と社会の総意としての価値観の大規模なシフトを
解明した本作は、今読んで損しない、社会論としての名著だと思います。
ラスト近くの、企業におけるソーシャルシフトの6段階や、IBM、全日空の
ケーススタディもとても興味深い。
ソーシャルシフトは、すでに始まっていることを実感。
する、しないと、企業が躊躇している段階はとっくにすぎている。
本書はそう言っている。