ジョビン集と言っても過言ではないクレア・フィッシャーの1964年作品。10曲中7曲がジョビンの作品で、残りは自身のオリジナル曲。非常に軽妙なタッチで弾かれるピアノの音は、実にボサノヴァの持つ特性を捉えており、非常に気品と優雅さを持ったアルバムになっている。ジャケットの涼しげな雰囲気そのままの音作りは、アメリカ人である彼がジョビンにどれだけ傾倒していたかを現していると思う。ジャズボサは、ブラジル本家の疾走感溢れるようなものと、このアルバムのようにジョビンの本来持つソフィティスケイトされた部分に焦点を合わせた作品があるが、これは後者の最良の出来のアルバムだと思う。
これまであまり知られていなかったアルバムなのだが、今回の企画は999円という安値で購入できるので、ぜひ知らないから素通りというのは止めて、聴いてみてほしい一枚。