シルヴァーのファンキーなピアノが魅力的な表題曲、C.ジョーンズのtp.が冴え渡る軽快な「ザ・ネイティブス・・・」、どこか寂しげな旋律の中にも個性が光るスローナンバー「ロンリー・ウーマン」など、シルヴァーの個性が存分に発揮されているこの大人気アルバムは、ブルーノートの名盤の一つであり、彼の代表作とも言えるでしょう。
しかしこれらのナンバーでは、彼の父親抜きでは語れないものがあります。このタイトル曲は、シルヴァーが「ヴィレッジ・ゲイト」に出演した時に初めて披露され、この曲が、ジャズを許してくれた父への感謝の気持ちであることを観客に述べています。その時に招待されていた、ジャケットにもある彼の父はまだ元気で、息子が作ったこのナンバーを大いに喜んだそうです。ところが、間もなく父は病に倒れ、彼がこの曲をレコーディングした際には、父は既にこの世にはいなかったのでした。そして、ラストナンバー「ロンリー・ウーマン」は未亡人となった母親に捧げられたわけです。また、2曲目の「ザ・ネイティブス・・・」は彼が幼い頃、隣の家で夜遅くまで遊んでいた頃の思い出を曲にしたものと言います。
シルヴァーは後年、このアルバムについて「ファミリーソングみたいなもの」と語っているそうですが、これは、私たちがこのアルバムを思い出にしていくのと同様に、シルヴァーにとってもかけがえの無い想い出のアルバムなのです。大切にしていきたい一枚ですね。