K2スーパー・コーディングにより20bitさながらの音の良さで記録されており、音楽ファンの耳にこそ知って頂きたい演奏が刻まれています。
13年ぶりのSalt&Sugar始動に合わせ、スタジオアルバムと同時に発売された、彼らの演奏技術を堪能できる素晴らしいライヴ作品です。
考えてみれば、Salt&Sugarのデビュー作品はいきなりライヴアルバムだったという、恐るべき熟練の二人。今作では更に深く艶を増した琥珀色の音色が紡がれています。
先ず素晴らしいのは佐藤竹善というヴォーカリストの喉が全く落ちていないことです。しかも13年前より音色の深みは増しています。
卓越した音感やリズム感も健在で、今日も安心して身を委ねられる恍惚の音色を奏でます。本当に日本の誇るプロフェッショナルのヴォーカリストです。
その歌を良い音で堪能できる貴重な作品と言えるでしょう。
一方、塩谷氏の音色の美しさは繊細さがいちばん染みわたります。歌をそっと支えたり包み込んだり、このピアノだから竹善氏の表現はどんどん昇りつめるようです。
そしてさほど主張しない優しさなのに、こんなにもこころをもっていかれる陶酔があるとは。ピアノの潤いが今作の大事なこころの中心を司っているといえるでしょう。
さて今作はすべて、中野サンプラザで毎年開かれる塩谷氏のソルティッシュ・ナイトに、竹善氏がゲストで参加した音源から厳選されたもの。このラインナップを見るに、
ポップス音楽はボーダレスの世界だという竹善氏の考えがよくわかりますよね。AORからジャズ、ポップス様々な背景を持った音楽が名前を連ねています。
それをピアノとヴォーカルという二つのツールだけでこんなに色鮮やかな演奏を繰り広げるとは、と驚かされます。
そして、ただのピアノとヴォーカルなのではなく、塩谷氏のピアノと竹善氏との息の合った音楽の「コミュニケーション」が見どころなのだと紹介できます。
それはどのアーティスト同士でもすぐ成立するかといえば、そう上手くはいかないでしょう。でも今作はそれが味わえるのですから、益々貴重な音源であり傑作です。
こんなに音楽の幸せに満ちた空気が伝わってくる、歌とピアノの作品は稀ですよ。
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