スターウォーズ的なスペースファンタジーを求めるSFファンには、退屈と見えるかもしれないが、ちょっと気に入った。
クリス・ケルビン以外の登場人物の名前が違っている。原作のハリーは、つづりを分解してレイアになっているなど(知らなかったが英訳版がそうなっていたらしい)。
そういえば、原作ではスナウト博士の「お客」は明かされていないことにふと気付かされる。その謎について、新しい解釈を示してくれるのが、ソダーバーグ版である。新しい解釈というよりは、ソダーバーグのサービスかもしれない。このどんでん返しで、この物語が急に奥行きを持ちはじめる。ソダーバーグは、「ソラリスの海は、内心の願望を映し出す鏡」だ語らせる。ソラリスの海に映し出されたソダーバーグの願望は何だったのだろう-「やり直し」のチャンス? ソラリスの海は、新たな命を宿す羊水のように後悔の記憶に肉体を与えるが、ケルビンの再出発はまだ暗い雨に覆われている。
海からはるかに離れた軌道上から、最初は穏やかに見えたソラリスの海は、映画の最後では、細胞分裂直前の卵のような変容をとげる。「2001年…」への胎児へのオマージュだろうか。
これもよかったが、ハードSF大作の「ソラリス」も見てみたい。双子の太陽に交互に照らされ、踊る海であるソラリスも…。