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レム自身はこの小説を「宇宙人と仲良くなるか、勝つか、負けるか、というアメリカのSF小説への問題提起」つまり宇宙には我々の既成概念を超える形での知性があるはず、との考えから執筆したとのことだが、そのことを超えて私には、我々は(宇宙に出て行くまでも無く)自分自身について、恋というものについて、「愛」について、なんにも分かっていないのではないか、と考えさせられた。
惑星ソラリスは主人公に、昔の恋人のレプリカを与え、しかし「彼女」は自分が「本当の彼女」ではないことに次第に気づき苦悩を深め!ていく。でも我々には「彼女」の主人公への想いは、まぎれもない「愛」だということが痛いほど分かるのだ。しかし「愛」ってなんなのか・・・?
主人公のケルビン青年が惑星ソラリスに赴任するところから、この不思議な物語がはじまります。ところが彼がソラリス・ステーションについてみると、先に着任しているはずの三人の研究者が見あたりません。ステーション自体もこころなしか荒廃した印象があります。まもなく姿をあらわした一人の研究者も酔ってでもいるのか、どことなく常軌を逸しているようです。
なにかがおかしい、と彼は思います。密閉されたステーション内なにが起こったのか。在るのはただ、すみれ色の靄におおわれて、もの憂げにのたうっているソラリスの海ばかり。これはまるでホラー仕立ての展開です。
読みすすむうち、ケルビン青年が出会う未知のものに、きっと読者も一緒になって目をみはることでしょう。
未知なるもの。
星の海にへ出て行った先で、わたしたちのうちのだれかは彼らに出会うかもしれません。勝つわけでもなく、負かされるわけでもなく、理解しあうわけでもなく、ただふれるというかたちで。
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