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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生きている幻想...透明なソラの地球(スフィア)の旅,
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レビュー対象商品: ソラノスフィア (CD)
何となく池澤夏樹の紀行本『ハワイイ紀行』を再読していたら、(ちなみに昭乃氏も池澤氏の愛読者)偶然にこの火山の名前が出てきた。 ハレアカラ...火の山というのに何と晴れやかな美しい曲なのだろう。 大地の鼓動が貫き空へと響き渡る、はじまりの序曲。 待望の新居昭乃アルバム『ソラノスフィア』。あまりにひっそりとした、 けれどその深さゆえに、これは時間をかけなければいけないと思った。 続く二曲目「Monday,Tuesday」は、如実に本アルバムの意味を 示しているような気もする。遠い幻想は実はすぐ傍にある。いやそれは、 決して幻想などではない。確かに"ここ"にある真実であることを、 彼女の囁く歌声が教えてくれる。「鏡の国」のファンタジーの住人も、 十分淋しさやヒト恋しさを知った生きている吐息の投影なのだから。 一転して「ターミナル」ではラフなバンドサウンドに乗せて、どこか 小旅行にでも出たような浮遊感を感じさせる。誰かが誰かを思う、 そんな単純な引力で出来ているこの地上。きっとその球形は、 密かな弧を描いてどこかへ続く。その想いの甘い不思議。 時に昭乃サウンドは静止しているかのような印象を受ける。 そのまま「印象」の深みのみを描く絵画のような美しい静寂。 儚げに漂う仏語詞が歌声の深淵を魅せる「mizu」... チベットの穏やかな離宮ノルブリンカの風景も、 どこか白昼夢のような幻想で時を停める。まさしく "宝の庭"という名に相応しい儚い残像が切ない。 かと思えば、躍動的な「Orient Line」にて意識は目覚める。 ヨルダン、ガリラヤ...それでもはてしなく、あてどない旅は続く。 (なんとなく「ターミナル」と対をなす、こちらは遠方への旅行) ふとチグリス、ユーフラテス...メソポタミア、遠いシュメールの都を思い描く。 中国楽器の二胡の調べも密やかな「Lhasa」で昭乃氏は偶然では 片付けられない必然を感じたという。そういった逸話も興味深く、 やはり楽曲の引力が引き寄せた縁かとも思う。ただひっそりと 耳を傾け、そして共に共鳴するように歌う心を思い出す。 その美しい響き。 「At Eden」は前作アルバムの落とし子。それでも、そんなことを 忘れてしまう親和感は、確かに彼女があの日から生き続けて来たことの証。 そして、こうして何度でも"世界"を紡ぐ。貴い彼女だけの世界を―。 カットギターの音色も切ない「The Tree of Life」。小さな鳥の 視点で見た世界の呼吸。その羽ばたきで見下ろした世界は、 あまりに広くて―どこか途方に暮れ、それでも息づく幻惑世界。 夜明けの光、水の雫...すべてに生き生きとした透明な輝きを反射(うつ)して。 彼女を敬愛するROCKY CHACKと共演した「Wind of Blue」は共通アレンジャー 保刈氏の手腕もあり、なかなかに躍動的な味わい深い作品となった。 もはやデジタルもアコースティックも、すべて同ベクトルに置いてしまう、 いわずもがなな昭乃氏の引力にすべてを忘れる。そして迎える終局(曲)... 「太陽の塔」―時を越えて。やはり呟くような囁きにすべてが集約されるのだ。 同時にまるで収穫祭のような序盤の「Haleakala」に還って行きたい気がして、 再び冒頭から旅を始める。ハレアカラの語源はハレルヤなのだろうか、とふと思った。 それは新居昭乃と共にめぐる、光に満ちた、鮮やかなソラの地球(スフィア)の旅。
23 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
傑作です☆,
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レビュー対象商品: ソラノスフィア (CD)
今までのアルバムは物語みたいでしたが、今回は空間的音楽という感じです。昭乃さんのアルバムはどれも素晴らしいですが、一番まとまりのある力強いアルバムだと感じました。 本人も言ってたように、迷いがなく、作りたいものが明確になったという感じです。 聴いていると、本当にきらきらした空にいるような世界感で、 それがジャケットやブックレットにも表れています。 紙のざらざらした質感や絵が曲ととても合っていて、アルバム全体がとても美しいです。 CDが入っているところにも絵が描かれていて、写真と絵のコラボレーションがとても印象的です。 音がとてもきれいで、ずっと流しっぱなしにしています。 特にオススメな曲は「鏡の国」と「Monday,tuesday」、「Lhasa」です。 アンビエントな曲調に癒されます。 もし気になってる方がいたらぜひ☆
39 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
空にぶら下がる球体が、心に宿る。,
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レビュー対象商品: ソラノスフィア (CD)
新居昭乃の5枚目のオリジナルアルバムで、何と「At Eden」のセルフカバー以外シングルは全く入れず、全曲が新曲だという意欲作になりました。ライブで演奏してきて段々形になった曲もあり、一度だけ演奏したら戸惑って今回のレコーディングまでに蔵入りした曲もあって、それに反して迷わずに何度もライブでパワーフルに歌ってきた曲もあります。前作の「エデン」からは4年間の歳月が経て、その間少しずつ出来た曲は今回全部使ってアルバムにする事になりました。「エデン」は911テロ事故の後にすぐ出来たアルバムで、それに影響されて詩の内容ははっきり言って消極的なものが多かったと曰く彼女だが、今作は人間の未来や生き様などを語っているより明るいものが入っていて、前作とは対照的でまるで影と光のようである。 サウンドの面では彼女は長く付き合った保刈久明をサウンドプロデューサに迎えたからいつもの昭乃サウンドからはあまり遠く離れていないが、今回はバンドサウンドを取り入れてみたのでこの「ソラノスフィア」は彼女のハーデストアルバムと言って良いでしょう。例えば1曲目の「Haleakala'」のギターリッフは今までの彼女の唄になかったものとか、アルバム全体を通してベースもかなりエージだとか。 でも何と言っても「Lhasa」が一番神秘的でとても不思議な曲になりました。彼女は「出来上がったまでは凄く不思議な経緯だった」と言いましたが、今回は二胡やブズーキで民族的なサウンドに差し上げたが、まるでチベットの気配が曲に宿っている様に初めて聞いた時は余りのスピリチュアリティに鳥肌になってしまいました。 ちなみにびっくりするぐらいな事に、このアルバムは4/29付のオリコンデイリーチャートに何と11位にランクインして、彼女がデビューして以来最高のチャートランクに違いないだろう。(おめでとう、新居さん!)
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