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ソフトウェアプロダクトラインエンジニアリング―ソフトウェア製品系列開発の基礎と概念から技法まで
 
 

ソフトウェアプロダクトラインエンジニアリング―ソフトウェア製品系列開発の基礎と概念から技法まで [単行本]

クラウス・ポール , ギュンター・ベックレ , フランク・ヴァン・デル・リンデン , 林 好一 , 吉村 健太郎 , 今関 剛
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

I ソフトウェア製品系列開発
読者は、ソフトウェア製品またはソフトウェア集約システムをもっと低い費用で、もっと速く、もっと良い品質で生産することに関心をお持ちだろうか? そうならば、正しい本を手に取ったことになる。
ソフトウェア製品系列開発(Software Product Line Engineering)という方法論は、より低い費用で、より短い期間で、そしてより高い品質で様々なソフトウェア製品およびソフトウェア集約システムを開発するために有効であることが分かっている。ソフトウェア産業においてソフトウェア製品系列を導入して得られた大きな実績と知見が、いくつもの報告に記されている。いくつかの事例は本書の第21章にまとめてある。
用語に関して、「ソフトウェア製品ファミリ(Software Product Family)」と「ソフトウェア製品系列(Software Product Line)」がほぼ同義語として用いられている。ヨーロッパではソフトウェア製品ファミリという用語が多く使用される一方、北米ではソフトウェア製品系列の方がより多く用いられている。これは何より以前の国際会議の名前に現れていた。アメリカ合衆国には2000年に始まったソフトウェア製品系列会議が、そしてヨーロッパには、1996年に始まった製品ファミリ工学ワークショップ(PFE)があったが、これらは2004年に統合され、現在この分野で代表的なソフトウェア製品系列会議(SPLC)となった。
本書では、ソフトウェア製品系列を用いる。

II 本書の読者
本書はソフトウェア製品系列開発の根幹に関心のある人たちを対象としており、ソフトウェア製品系列開発の基盤を詳述し、2つの主要なプロセスと、可変性の定義と管理に関する、経験に根差した知識を提供する。
われわれは本書を、等しく実践者、製品系列の研究者、ならびに学生に向けて書いた。

III 本書の概要
本書はわれわれが開発したソフトウェア製品系列開発向けフレームワークに即して構成されている。このフレームワークは、過去8年間に得られた製品系列開発における知見に基づいており、単一システム開発と比べた、以下に挙げるソフトウェア製品系列開発の主要な差異を強く意識している。
a)異なる2つの開発プロセスを区別する必要性、すなわちドメイン開発とアプリケーション開発の区別。ドメイン開発プロセスの目的は、ソフトウェア製品系列の共通性と可変性を定義し実現することである。アプリケーション開発プロセスの目的は、ソフトウェア製品系列の可変性を利用して特定のアプリケーションを導出することである。
b)可変性を明示的に定義し管理する必要性。ドメイン開発においては、すべての開発成果物(要求、アーキテクチャ、コンポーネント、試験ケース等)に可変性が取り入れられる。可変性は、アプリケーション開発において、様々な顧客の固有のニーズに対して個別化されたアプリケーションを導出するために利用される。
本書は、特に以下の問いに対する答えを提供する。
●どうすればソフトウェアの開発費用と開発期間を抑え、なおかつ品質を上げられるか?
●どうすればソフトウェア開発において事前準備式の再利用を行うことができるか?
●ソフトウェア製品系列の可変性とは何か?
●ドメイン開発プロセスとアプリケーション開発プロセスの主要な活動と目的は何か?
●どうすれば製品系列の可変性を文書化し管理することができるか?
●どうすれば要求、アーキテクチャ、試験ケースのような様々な開発成果物に定義された可変性の整合性を確保することができるか?
●アプリケーション開発でどのように可変性を利用すれば、共通資産から特定の製品を導出することができるか?

著者からのコメント

[訳者からのコメント]
本書はソフトウェア製品系列開発のライフサイクルプロセスを体系的に詳説したはじめての本であり、それを日本語読者にお届けする手伝いができることを、とても嬉しく思います。
システム開発は非常に刺激的で、やりがいのある仕事です。自分の手がけたシステムが稼働し、利用者によって使われている光景を見るのはとても嬉しいものです。その一方、市場競争で生き残っていくためには、日々新しい機能・品質の開発を続けていかなければなりません。
訳者らが仕事で携わる開発の現場は、システムをシリーズ開発する場合が非常に多く、単一のシステムで動くソフトウェアをいかにうまく作るかという視点に加えて、複数のシステムに備えるべきサービスをいかに効率的にかつ効果的に作り込むかという点に重点が置かれます。また、これら作り込まれた機能と品質をいかにそのシステム群に展開していくかということも、開発管理上および組織戦略上、不可欠の要素です。
もう何年も前から提唱されているソフトウェア再利用は、組織に品質、費用、開発期間(いわゆるQCD:Quality, Cost, and Delivery)の向上をもたらすことができます。開発の現場では(特に組み込みシステム開発では)、再利用という名の流用開発は日常的に行われています。しかし、再利用の持つ可能性が活用されているとは言い難い場合が多く、QかCかDのどれか1つを追い求めるので精一杯というのが現状です。
再利用を事前に意識した、いわゆる部品化の試みが多くなされてきていますが、大きな成功を収めた例はきわめて稀です。これらの理由は、再利用する側と、再利用資産を用意する側が、技術的にも組織的にもうまく協調していないからです。また、ソフトウェアというものがどのようにでも変更可能であるために、再利用に際して無統制の改変が行われ、それがかえって開発の効率やシステムの品質を落としてしまっています。これらの課題が解消すれば再利用のQCD向上はフルに発揮されますが、そのためにはその全体プロセスの深い理解と周到な計画、そして注意深い実施が、適切な技法に加えて必要になります。これがソフトウェア製品系列開発の根幹です。本書はそれを網羅的に解説し、研究にも実践にも役立てることのできる参考文献として仕上げられています。
ソフトウェアの開発において、技術が成熟していない部分では労働集約的な側面が強まり、担当者の疲弊とソフトウェア品質の低下が発生します。このような状態が何年か続くと、組織内部の技術は空洞化し、サービス需要の変化に対応していくことができず、さらに労働集約的要素が大きくなるという悪循環におちいります。そうなってしまっては、ソフトウェア開発、そしてそれを利用する製品およびサービスを提供する事業からの撤退を余儀なくされることも、ありえない話ではありません。
技術は創り、または取り入れ、維持し、育てていくものです。技術を組織内で創り出すことが難しかったとしても、外から取り入れることによって、利用することができます。厳しい納期や不十分な予算のために、技術や管理の仕組みうまく推進する人(アーキテクトと呼ばれることがあります)が自身の技術を文書化する余裕を持てなかったとしても、書籍による知識共有を基にして、組織内への展開を始めることができます。
本書は、ソフトウェア製品系列開発の実践的知見を、技術面は元より組織面にいたるまで基礎から積み上げ、具体例をいくつも含めて提供しています。短い表現に多くの内容が込められているため、確実に理解に至るまでには何度か読み返す必要があるかもしれませんが、今後のソフトウェアの効率的効果的な開発方法の確立と、それを行う組織での役割分担を適切な方向に促進していくために、必ずや役立つ文献となるでしょう。
最後になりましたが、翻訳者らが出会ったEEBOF(Embedded Engineers Birds Of a Feather)に感謝したいと思います。このコミュニティがなければ本書を訳す機会をわれわれが得ることはなかったでしょう。EEBOFで知り合った3名の1人が翻訳を提案し、もう1人が知己を得ていた著者に連絡を取り、さらにもう1人が手を挙げ、このプロジェクトが実現したのです。関心事がソフトウェア製品系列であれ何であれ、組織の外に出て世界を広げたことの1つの結果を、ある種の驚きとともに噛みしめています。

登録情報

  • 単行本: 491ページ
  • 出版社: エスアイビーアクセス (2009/01)
  • ISBN-10: 4434127063
  • ISBN-13: 978-4434127069
  • 発売日: 2009/01
  • 商品の寸法: 21 x 14.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 346,665位 (本のベストセラーを見る)
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ZACKY
形式:単行本
SPLE を体系的に学べる教科書が,ついに日本語訳されました!

序章は,マスカスタマイゼーション(大量個別生産)に対してプラットフォームを解にするのがSPLE(ソフトウェア製品系列開発)であるという流れで,すっきり説明していて,導入としては今までのSPLE本の中でもっともわかりやすいです.次に開発プロセスのフレームワーク(いわゆる2層開発:ドメイン開発+アプリケーション開発)が示されています.前半のハイライトは著者らが提案する直交可変性モデル(OVM: Orthogonal Variability Model)です.基本概念の説明をし,各工程でどのように記述していくかを丁寧に解説しています.後半はドメイン開発とアプリケーション開発の各工程を解説します.最後は,SPLE で重要性を強調される組織の問題,みんな気になる移行プロセスや事例について紹介します.事例については,注釈付きの参考文献紹介というスタイルになっており,ポインタとしてかなり重宝するのではないでしょうか.

翻訳についても,SPLE 研究・実践の第一人者である訳者陣がきっちり丁寧に翻訳しており,安心して読めます.意図的に漢語調(つまり,外来語をできるだけ漢字の技術用語で表現する方針)でまとめられているので,ちょっと日本語として堅く感じますが,そんなに違和感はありません.

個人的には第9章製品管理の章が,他と比べて技術者にとってわかりにくいかなと思いました.この章で挙げられている参考文献もドイツ語の文献ばかりなので,敷居が高いです.(ちゃんと追っていませんが,これらの参考文献と同様の英語の本はたぶんあると思います.)

ただ,製品管理の辺りは世界的に見てもまだ良書がないのが現状です.製品管理の一通りの基礎概念を説明しているという点で,現時点では(製品管理だけ,ややわかりにくいとは言っても)やはりこの本を推薦するでしょう.そういう意味で,減点なしの5つ星です.
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
システムを効率的に開発するための差分開発の手法が
要求〜実装までのワークフローとして書かれており非常に有用である。
要求の変化とそれにまつわるシステムの変化のモデル手法も小さいながら
例題としても提示されており、概念をより理解しやすくなっている。
特に組み込み系ソフト開発でより良い開発手法やツールを探している方で
要求工学やUMLやオブジェクト指向やアーキテクチャ論等をかじったが
イマイチ適用イメージがわかない方は
本書と組み合わせると効果が発揮されると思う。
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