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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
経営の難しさを実感できる本,
By kota2009 (日本 関東) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ソニー VS.サムスン (単行本)
ソニーが最近(この本では2005年前後)思わしくない、一方新興企業であったサムスンの成長には目を見張るものがある。著者はこの二つの企業の経営プロセスとリーダーシップを比較分析している。著者はサムスンが素晴らしく、ソニーはダメだと紋切り型の説明をしているのではない。
サムスンは、会長に権限を集中した軍隊式経営スタイルであるが、これはサムスンが先進国の一流企業に追いつくいわゆるキャッチアップフェーズであったため、うまく機能した。一方、ソニーは創業者によるカリスマ経営において発展したが、世界のTOP企業となった今は専門経営者による経営が必要であるフェーズであるが、従業員が専門経営者による経営を受け入れる風土になかった。 ソニーとサムスンの明暗を分けたのは、経営スタイルの違いと考えるのは早計である。むしろキャッチアップフェーズにあるか、フロントランナーにいるかそのフェーズの違いと考えるのが妥当である。いまやサムスンはキャッチアップからフロントランナーにフェーズが変わっている。ソニーがフェーズを変える際に、カリスマ経営からの脱却に苦戦したようにサムスンも苦戦が予想される。それは、経営者の問題だけではなく、その企業で働く従業員のマインドセットつまり企業風土を変えることが難しいためである。
19 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
韓国の専門家による ソニー vs サムソン,
By mmoto77 (東京都江戸川区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ソニー VS.サムスン (単行本)
価値を新たに創造することに重きを置き失墜しつつあるソニーと
一方で軍隊のように徹底した組織力を武器としたサムソンの比較。 現時点で結果論として、サムソンを讃える本になる。 著者が韓国の有識者という点もそちらにバイアスがかかるのは 仕方がないこと。 本書の注目すべきは、その緻密な分析力である。 日本の専門家は抽象論に終始し、踏み込み不足が散見される。 専門家の質を見ても、衰退する日本、高揚する韓国の構図が見てとれる。 日本の戦後のハングリーさはどこに行ったのかと感じさせる一冊。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
経営レベルのベンチマーキング,
By
レビュー対象商品: ソニー VS.サムスン (単行本)
電化製品に限らず、ここ数年の韓国企業の世界中での躍進は誰もが疑うことがない事実。
そしてその躍進によって日本企業が駆逐されてきたのも、これまた事実。 ”製品の特性(コストや機能・性能など)”から韓国製品の何が優れているのか、ということは、ベンチマーキングを得意とする日本企業ならどこでもやっているのでは?? そんな中、この本ではそういった結果(製品)だけの上辺の情報で韓国企業を評価するのではなく、ソニーとサムスンの組織とリーダーシップの違いを対比させ、「経営的に、企業戦略的に」韓国企業のなにが優れていたのかを非常に細かく分析されています。つまり、「製品の何がすごいのか」で判断するのではなく、「なぜそのような製品が作れる企業足り得るのか」がわかります。これは上辺だけのベンチマーキングに嫌気がさしている私にとっては恰好の著書でした。 しかも、著者は韓国人の方のようですが、決してサムスンに傾倒した評価ではなく、超がつくほど中立的な視点で分析されているため嫌味がなく、ソニーとサムスンのお互いの長所と短所、成功と失敗が網羅的に記述されているため、ほとんどの事例に素直に納得できます。 以下、本書のおおまかな内容を私なりの言葉で解説します。 NIH(Not-Invented-Here:すでにあるものは開発しない)をモットーとしてきたソニーは創業者の天才的エンジニアリングとカリスマ性によって、電化製品の特異な企業として名を馳せてきました。 対するサムスンは、通貨危機をキッカケにして世界でトップになるべくして、「皇帝」として崇められるほどの権力者となったイ・ゴンヒ会長のリーダーシップによって模倣と吸収・拡大を繰り返し、破竹の勢いで世界のレベルに上り詰めました。 そしてソニーはNIHの限界と傲慢、創業者の引退、実力に見合わないグローバル化や事業拡大など、さまざまな要因が絡み合って短期的な業績が注目されるようになり、特異性は忘れ去られ、業績が悪化していきます。 それと時を同じくして、もはや誰も止められない勢いで成長していくサムスン。将来の不確定要素が少なく、投資レベルがそのまま業績に比例する DRAMという非常に合理的な事業に集中と選択を繰り返し、イ・ゴンヒの「恐怖経営」とまで呼ばれる圧倒的なリーダーシップで敏速に企業を成長させました。 しかし、ソニーも創業者から独立しながらも本来の姿をとりもどすべく、社外からCEOを招き、「ソニー・ユナイテッド」を目標に試行錯誤を始めています。 対するサムスンはもはや模倣する相手はいなくなり、名実ともに自らが業界のリーダーとなることが求められています。そんな中、ワンマン経営だけに頼っていくことの限界に直面しています。 これらの課題をどうクリアするかが今後の両社の明暗を分けるのでしょう。 本著を読めば、どちらの企業についても今後の展開に大注目になること間違いなし。 また、ただただ手をこまねいて惨敗しているだけではない日本企業があることを再認識させられ、少し明るい未来が期待できます。
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