全世界で絶賛のレビューが吹き荒れ、尋常ではない期待を負って発売日を迎えた本作。
あまりにも前評判が高く、実体験との落差を心配していたが、
実際に遊んでみると、噂どおりの絶句するほどのクオリティに憂慮はすっかり吹き飛んでしまった。
B級映画を意識したゲームデザインが印象的だった前作に比べ、
本作はまさに大作ハリウッド映画といったところだ。
ストーリーは主人公ネイトとその仲間たちがマルコ・ポーロの秘法を巡って悪徳連中と壮大な争奪戦を繰り広げる、というもの。
相変わらず至ってシンプルな王道ストーリーだが、複雑化していない点は歓迎すべきだろう。
シンプルなストーリーはカットシーンの冗長化を防ぐとともに、
アクション映画を見ているような高揚感を妨げないための重要な役割を果たすからだ。
ネイトは非常に頭の切れる冒険家だが、冷徹な無敵のヒーローではない。
危機に陥れば泣き言も漏らすし、得意のジョークで積極的に場を和ませようとする。
主人公がプレイヤーの心理状態に合わせて感情を表現してくれるので、とても感情移入しやすい。
ジャーナリストのエレナやネイトの師匠にして元パートナーであるサリーなど、前作でおなじみのキャラクターも登場する。
とはいえ、ストーリーの繋がりは全くないので、前作未プレイでも問題なく本作から楽しめるはずだ。
逆に前作をプレイ済みのユーザーは、彼らの活躍に思わずニヤリとしてしまうことだろう。
ゲーム全体の流れは、探索→戦闘→パズルの順繰りだ。
前作に比べて各パートの独立色が強くなっており、パズルの合間を戦闘で邪魔されるような場面は少ない。
探索では発見の喜びを、戦闘では敵を倒す爽快感を、パズルでは謎を解く楽しさを、
ぞれぞれきっちりと遊びこませてくれる作りになっている。
ノーティドッグ自慢の裏読みシステムで、最初の読み込みを除けばロードは皆無だ。
多彩になった冒険の舞台をシームレスに楽しむことができる。
目の肥えた海外でも絶賛されていたグラフィックは本当に凄まじい。
特に人工建築物は実写と比較しても遜色ない完成度だ。
前作では頻発していたテクスチャのポッピングもほぼ消失しており、
他の現行コンシューマ機のゲームと見比べると0.5世代は抜けているように感じられた。
だが、個人的に最も驚かされたのは物理エンジンのクオリティだ。
ヘリが上空を飛べば地上の草木はさながら実物のような挙動でバタバタと風になびき、
ビルが傾けば中にいるキャラクターも家具もそれに合わせて吹き飛ばされる。
ここまで大局的、かつ自然に物理エンジンを使いこなしているゲームを私は見たことがない。
とにかく、映像表現に関するあらゆる要素が偏執的なまでに作りこまれている。
挑戦的な要素が見当たらないというレビューも散見されるが、
この作りこまれたグラフィックと物理エンジンが織り成す映画的シチュエーションの再現度は間違いなく革命的である。
新たに採用されたオンラインマルチプレイも非常に出来がいい。
対戦は可もなく不可もなくといったところで特筆するほどではないが、協力プレイは最高に盛り上がる。
ぜひ、ご友人を誘って一緒に遊んでみて欲しい。
これほど5段階のレーティングシステムを残念に思ったことはない。
近年稀に見る傑作中の傑作であり、
もしPS3ユーザーでこのゲームをプレイしたことがないとしたら、それは少々不幸なことかもしれない。