まずは本作を敬遠されている方、購入を迷っている方に、
「是非やってみてください」と勧めさせて頂きたいと思います。
このゲームはCMでもやっている通り、
4つのボタンに割り当てられた音で、パタ パタ パタ ポン♪と4拍子をきざみ、
その指示に応じてパタポン達が動き回る、というものです。
ボスが攻撃をしようとしている→防御を!といった具合に指示を出し、
時には巨大なボスと戦い、時にはさらわれた仲間を乗せた馬車を追いかけるなど、
バラエティー豊かな展開が楽しめます。
ボタンの1押しごとに帰ってくるパタポン達の反応(踊って歌って)によって
「自分がパタポン軍を動かしている」という確かなプレイ感覚を得られます。
ボスを倒した時などは、「よくやった!お前達!!!」という感じです。
パタポンの種類(タテポンやヤりポンなどジョブ的なもの&パタポン自体の種族)、
豊富な装備品、それにパタポンの可愛らしさも手伝って、
「自分の部隊」という愛着が確実に沸きます。
より強い部隊を目指して資材集めをする感覚はRPGっぽくもあります。
本作の肝である4拍子&行進についてですが、
これは、複数のユニットをシンプルに動かすという点で、
「これを越える心地よさを目指すとなると難しいな」と思えるほど素晴しいものです。
もっと言えば、同じ操作で見た目をガンダムに変えるだけで
新作として成立してしまうような、「極めて革新的な複数ユニット操作」です。
1ステージのプレイ時間は数分程度で、テンポもよく、
やりこみだけでなく時間つぶしにも向いています。
横長の画面との相性から見ても、PSPで出すことに納得です。
ベタ褒めしましたが、不満もあります。
上手にリズムを刻むとフィーバーモード(リズムが狂うと終了)となるのですが、
フィーバーになる瞬間のパタポンの掛け声が、リズムの崩壊を促すものになってしまっています。
「フィーバーだ」!と喜んだ瞬間リズムを崩され、即フィーバー終了というストレスの溜まる展開を度々引き起こします。
イヤホンを使用すると若干緩和出来ますし、それほど問題ではないように思えるかもしれませんが、
これはこのゲーム最大の失敗と呼べるほどの大きなものです。
始めに書いた通り、これは「4拍子にのせてパタポンたちに的確な指示を与え、様々な局面を越える」というゲームです。
「取りにくいリズムを頑張って取る」、というゲームではありません。
結果としてこの音の存在は作者の意図とは違うゲーム性を浮かび上がらせ、
音以外には頼れる視覚的変化もしっかりしていない為、
「リズム取りの難易度が高い」という不本意(なはず)な不評が発生しました。
その他をあげるとすれば
クリア後はボスと延々戦う事しか出来ません。
敵の兵士や、砦の攻略戦など(これが面白いのに)をどれだけ懐かしみ
「強く育ったパタポン軍でもう1回あのステージを」と望んでも、
データ引継ぎも、1セーブデータ内で過去のステージをプレイすることも叶いません。
ミニゲームは複数用意されていますが、どれもゲームと呼ぶにはお粗末。
リズムを取るだけのモノだけでなく、いっそのことパタポン1体を好きに動かせるような、
本編とは違う「遊び」を考えついて欲しかったです。
長くなってしまいましたが、
私はこのソフトを是非プレイして頂きたいと思います。
上記の通り完璧ではありませんが、
月に6〜7本程度のゲームソフトをプレイする私が、
久しぶりに「ゲーム」をやったなと感慨深い思いに浸りました。
「こんなのゲームじゃねえじゃん」というソフトが乱発される昨今、
こういうソフトがもっと世間に評価されれば
ゲーム業界はもっと健全で、かつ挑戦的でいられるでしょう。
「ゲームがゲームであること」
これを守るためにパタポンは行進しているように思えてなりません。