本書は、「ベガ」の開発プロジェクトをドキュメンタリー形式で再現したものだ。プロジェクトのメンバーたちへのインタビューは延べ100時間を超えたという。その結果、得られたエピソードは示唆に富んでいる。
さらに著者は、トリニトロンカラーテレビが誕生した時代にさかのぼり、ソニーの社員たちに継承されている遺伝子――新しい商品を創造する力の正体に迫る。
28年前、故井深大社長は、6カ月という短期間でトリニトロンカラーテレビを発売すると宣言。当時の社員たちは、その無謀とも思えるトップの言葉に驚きつつ、結局これを成し遂げた。通常2年を要するといわれた新製品開発を4分の1の時間で終える力、そんな時代の変化、時代の要請にこたえる力こそがソニーの遺伝子であると著者は言う。
逆風の時代にこそ求められる「攻め」の企業戦略例と、日本のメーカーとしての誇りを読み取れる1冊。
(日経ビジネス1998/11/30号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
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ひとつのプロジェクトを乗り越えた、自信のようなものが伝わってくる。
平面ブラウン管開発が、いかにすごいプロジェクトだったかを伝えたいがために、著者が冗長と語りすぎているのが残念だ。しかし、
・系列店の数が売上を決めるという競争ルールを変えてしまったこと
・井深賞という社内表彰を受けたこと
など、このプロジェクトの偉大さが読み進む中で分かってくる。
文庫版では、プラズマで後塵を拝した同社が、次の一手を確実に打っている様が紹介されている。
一人のソニーユーザーとして、新しいチャレンジを心待ちにしている。
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