北野武監督第4作、1993年作品、それまでの3作品は一年一作で公開されていたが、とりわけ前2作品の悲惨な興行状態から2年のインターバルを経て制作された、後に松竹を放逐されてしまう名物プロデューサーが「その男、」の続編風を期待して制作を担当するもすでに監督業になれ独自の北野作風を全開させてしまって興行が失敗したことにたいし後にうらみつらみをつづった文章を有名誌に発表しているので興味のあるファンは図書館で検索されたし、
とにもかくにも本作は興行としては大失敗作、評者など見に行こうとおもったらすでに上映終了となっておりビデオ発売までお預けされた、1週間で上映を止めた映画館もあったときく、それにもかかわらず仕上がりに自信をもち輸出し海外での評価をえることでその後のキャリアをつないだプロダクション側の判断は素晴らしいかった、と作品以上にもっと評価されてもいいはず、
内容はそれまでの3作品のよい点を踏襲し暴力と笑いを絶妙に配置した欠点の見当たらない物語、テーマは死なのだが、よくある主人公が八方ふさがりの袋小路に追い込まれて選ぶ死とは異なり、主人公達の日常にはなぜか生と死がなかよく同居しており、画面から伝わる「怖さ」の比類無さこそが欧州で先に評判をとったことにつながっているとおもう、生と死の同居する日常の舞台に沖縄の寒村の青と茶色がふさわしかったことにも日本人以上に欧州の映画ファンが反応したわけです、現時点までの北野作品でもっとも美しい撮影が実現しているともいえる、
笑いのシーンもぼうっと見れば単なるオフビート風のコメディなのだが、本作に波長の合うファンほど笑いの裏に見え隠れする死神の影が後半になるほど濃くなっていくことに気づくはずです、
北野作品群ではオートバイ事故を境に作風が少々変わる、後にはより娯楽映画に近いものも作られ現在に至る、本作は事故以前のおそらくは北野武本人のなにか人生観のようなものが集約された遺言のような気高さを感じるファンも多いとおもう、