モーツァルトのイ短調K.310(母の死が影響して作られた悲劇的なソナタ)、K.333(演奏会用の優美な大作)、そしてベートーヴェンの悲愴・葬送・月光と、ピアニストが演奏会で取り上げるような名曲が入っています。このレベルのソナタを本格的に弾こうとする場合は、やはり作曲家別の原典版の楽譜を持っていたほうがよいと思うのです。でも、そこまでするほどでもないよね、という人にはこの楽譜はまずまずおすすめできます。
ただ欠点はいくつかあります。ミスプリなのか意図的なのかわかりませんが、原典版と違う音、違うフレージング(スラーの位置が違う)が多いので、疑問に思ったときはそれなりの楽譜を別途参照する必要があると思います。あと運指が良くないです。この点に関しては、「このレベルの曲を弾く人は自分で最適な運指を考えられるから平気」という、ある種の割り切りが必要だと思います。
なお、ベートーヴェンのテンペスト(人気曲です)は、ソナタアルバム1にも2にも収録されていませんので、注意してください。テンペストだけを弾きたいときは、ピアノピースを購入するのがおすすめです。