わが思想の迷路に踏み込む切っ掛けとなった、今は亡き独自の思想家にして、
優れた言語学者・記号学者、
その名は丸山圭三郎。
この書こそ、1980年代・90年代を代表する名著だと思っている。
コトバ=波の比喩は美しく、忘れがたい。
幸運にも、謦咳に接したことが二度ある。
一度は、岩波CSでの『一般言語学講義』レクチャー、
二度目は中央大講堂(お茶の水)での、講演。
やはり、今は亡き思想家、丸山氏の盟友・広松渉氏とのダブル講演だった。
と、こう書いていても、丸山氏の、あの独特な柔かな語り口、声音と微笑と共に、初めてこの書と出遭った時の興奮が鮮やかに甦ってくる。
思想書が飛ぶように売れた時代の、 間違いなくスターの一人だった。
その後癌を患っていると聞き、間もなく没した。
(その生涯に一体どんなドラマがあったのか。お弟子筋の俊秀の方々は、因習を超え、書くべき責務があると思うのだが…)
あの時、会場を埋め尽くしていた人達の熱気と、歴史に対する危機意識は忘れられない。
歴史の重みを感じる。
この機会にもう一度精読したい。
座右の書とすべく、密かに文庫化されるのを期待しているのだが。