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その中でソクラテスは自分の哲学を曲げる事はしなかった。自分が無知である事を知った者が、本当の知識人であると言うのです。彼の世界観は、どこか聖書の世界を彷彿とさせますが、キリストと違うところは「死」によって人々の罪を許すのではなく、逆に罰を与え気付かせるといったものでしょう。
教師とは、そうあるべきではないでしょうか。キリストのように裏切ったユダやその他の罪人を迎合してしまうようでは駄目だと、私は思います。そして彼は語るのです「諸君、死を脱れることは困難ではない、むしろ悪を脱れることこそ遥かに困難なのである」と・・・。
クリトンに対しても、ソクラテスはやはり自分の哲学を曲げる事はしませんでした。「死」が待っていようとも、物を教える立場にいる者として逃げる事は出来なかったのです。
対話形式の文章はとても読みやすく、一般的に芸術性が高いと言われていまますし、私もそう思います。40年前に改定されて版を重ねていますが、それだけ多くの人が読み、共感する部分を多く持っているということでしょう。すぐに読める本なので、教育関係者だけでなく、倫理・哲学といった面でも大いに参考になる文献であると思います。
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