シリーズも6作目ともなると観る側も作る側もいい加減いやになってきそうなところで、実際前作ではかなり息切れしてシリーズ伝統のトリックもストーリー性も出がらしのようだったが、今回は積み上げてきた要素を上手いこと処理して見事に息を吹き返している。前作まででシリーズを見限ってしまおうと思った人も、きっとこれを観れば「もう少し付き合ってみよう」と思えるはずだ。
シリーズ初期のようないわゆる「どんでん返し」というほど派手な要素はないものの、大小さまざまなトリックを用いて観客を欺き、最後までなかなか全貌が見えてこないストーリーで、面白い。
前作では精彩を欠いていた工夫を凝らした残虐描写も今回はしっかり復活しており、単なる羅列に終わらずストーリーに起伏をつける役割も果たしている。これを観ると前作がどれだけ雑な作りだったかよくわかる。
前作までの伏線の回収も非常に丁寧で、わかりやすく「これはあの時のアレですよ」とフラッシュバックを見せる親切さのおかげで、過去シリーズに顕著だった「細部まで覚えていないと何が何だかわからない」事態に陥らず、「なるほど」と思える(それでもわからない人はわからないだろうが)。
シリーズの特色上あまり詳しいことは言えないが、今回はシリーズ通して初めて「あの謎は解決されるのか?」や「次はどんなトリックを仕掛けてくるのか?」というような、既にどん詰まりの要素ではなく、「これからいったいどんな展開を見せるのか?」というストーリー面での次回作への期待を持つことができた。ジグソウの分散する意思、暴走する意思が行きつく果てはどのような景色なのか? 今年のハロウィンを楽しみに待とう。