綿密なストーリーの絡み合いを楽しむ論理遊びとしての魅力を堪能するため、上映前に4分ほどの「ソウ集編」が上映されます。前作までのおさらいをしてから観てくださいという、親切な趣向。
ただ、狙いはよかったのに、各作品の核心部分があいまいなままで、中途半端にネタバレを避ける感じ。本作を初めて観るような人はないでしょうから、前作までの鑑賞は済んでいるとの前提で、これまでの経過を思い出す役割に徹底すればよかったかな。
第1作にあった天地がひっくり返されるような強烈なインパクト、第3作までで執拗に訴えていた、何かを犠牲にすることで生の実感を得る、という“ジグソウ”の独善的だが極めて深甚な“哲学”の魅力はどんどん薄れていったし、いずれ何処かで幕を引かねばならないなら、そろそろ頃合いであったことは間違いないでしょう。
とりあえず、シリーズファイナルとしての興味の中心は、刑事ギブソンとホフマンの知恵比べと、暴走するホフマンと逃走するジルの対決。そして、ジルは秘密裏に封筒を誰に渡したのか? 最後に「ゲームオーバー」を言うのは誰なのか?後継者たらんとするホフマンか? 能力未知数なジグソウの元妻ジルか? それともそれ以外の誰かなのか? ということでしょう。
結果、ラストのサプライズにしても、実はそのネタ自体は悪くないし、まぁまぁレベルのエンディングで納得感はあります。予想通りという感じもなくもありませんが...。
ストーリー全体のスピード感とテンションの高さは健在でしたし、ひとまずはきちんと区切りをつけたエピソードであり、第1作から僅か6年のあいだにここまで独自の世界を構築し、完結させたことは賞賛したい。