この作品は「怖くて見れたもんじゃない」とよく評されますが、
この一作目はグロい描写で怖がらせるというより、心理的な怖さの方が強いと思っています。
SAWはいまだに続編が作られ続けていますが、
この先いくらシリーズが続こうとも、これを超えるものは作れないでしょう。
(そもそも、このコンセプトで続編を作り続けるのは無理があったんだと個人的に思ってます。)
全てが緻密に計算されており、無駄なシーンが一切ない。
低予算で撮影期間はたったの18日。
しかも監督は全く無名の新人。(脚本は監督の友人でもある、本作のアダム役のリー・ワネルが担当)
にも関わらずこんなに面白いのは、やっぱり制作者たちが、
「皆がびっくりするような、面白い映画を作ってやろう」という意気込みがあったからなんだと思います。
こんなに怖くて暗いのに、この映画全体からはフレッシュで爽快な(変な例えですが…)印象を受けるんですよ。
若手特有のハングリー精神とでもいうんでしょうか。
そして今のSAWにはそれがないとも思うんです。
グロさや観客を欺くことばかりに意識が向かってしまっていて、
「面白い映画をつくろう」という意識が感じられないんですよ。
だから見てるほうはだんだんシラけてくる。
このSAWという映画は、決してホラーマニアやスプラッタマニアに向けられた映画ではありません。
全ての映画好きに向けられた、真のエンターテイメント作品だと個人的には思っています。
だからホラーが苦手な人でも、勇気をもって見てみることをおすすめします。
(実際ホラーが大嫌いなうちの妹も「とても面白くて感動した」と言ってました。)
ちなみに本編以外でも、監督と脚本家による音声解説も面白いですよ。
ジェームズ「いやとにかく時間がなくてさ…」
リー「あ、ここに映ってんの、実は俺の腕なんだぜ!」
ジェームズ「シーンとシーンの間をどう埋めるか悩んだよ…」
リー「おい、ここのチャーリーの音楽マジで最高だぜ!」
とこんな感じで(笑)
怖い映画のはずなのに、見ててとても笑えます。もちろん制作の舞台裏での話もとても興味深いですね。
本編を一度見た後にぜひ見てみてください。