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ゼロ年代の想像力
 
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ゼロ年代の想像力 [ハードカバー]

宇野 常寛
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

『DEATH NOTE』、『恋空』、『ALWAYS 三丁目の夕日』、宮藤官九郎、よしながふみ、平成仮面ライダーシリーズ……格差・郊外・ナショナリズム、激震するゼロ年代に生まれた物語たちの想像力は何を描き、生み出してきたのか。時代を更新するサブ・カルチャー批評の決定版。

宮台真司氏推薦
「若い書き手による、単なる「好きなもの擁護」を超えた、時代を切り拓くサブ・カルチャー批評を、僕らは長いあいだ待っていた。それが本書である。政治思想の最先端とも響きあう高度な内容は、その期待に応え得るはずだ。」

■本書で論じた作品
青山真治/池袋ウエストゲートパーク/犬夜叉/ウォーターボーイズ/ALWAYS 三丁目の夕日/仮面ライダー龍騎/仮面ライダー電王/木皿泉/木更津キャッツアイ/オトナ帝国の逆襲/蹴りたい背中/犬身/恋空/コードギアス/宮藤官九郎/小林よしのり/最終兵器彼女/桜庭一樹/佐藤友哉/戯言シリーズ/下妻物語/女王の教室/ジョゼと虎と魚たち/新世紀エヴァンゲリオン/永遠の仔/すいか/世界の中心で、愛をさけぶ/セクシーボイスアンドロボ/涼宮ハルヒの憂鬱/西洋骨董洋菓子店/DEATH NOTE/電脳コイル/時をかける少女/ドラゴン桜/NANA/野ブタ。をプロデュース/鋼の錬金術師/ハチミツとクローバー/パッチギ!/バトル・ロワイアル/ファウスト/古川日出男/フラガール/冬のソナタ/マンハッタンラブストーリー/松尾スズキ/浜崎あゆみ/メゾン・ド・ヒミコ/よしながふみ/よつばと!/ライフ/らき☆すた/ラスト・フレンズ/リンダリンダリンダ/ONE PIECE

著者について

評論家。1978年生。企画ユニット「第二次惑星開発委員会」主宰。批評誌<PLANETS>編集長。戦後文学からコミュニケーション論まで、幅広い評論活動を展開する。

登録情報

  • ハードカバー: 352ページ
  • 出版社: 早川書房 (2008/7/25)
  • 言語 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4152089415
  • ISBN-13: 978-4152089410
  • 発売日: 2008/7/25
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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形式:ハードカバー
「へ〜、なるほど、そう言われてみればそういう気もする」
というのが印象で、社会学というか、こういうサブカルと社会を結びつけて自分の言いたいことを言う人には、みんなそういう印象を受ける。

そう言われてみれば、そうかもしれないが、それって根拠あるの?なにを証拠に?データは?土台は?
という湧きあがる疑問には、本書は一切答えてはくれない。
筆者が参照にするのは、批評論壇という一般人にはなんら関わり合いのない狭いにも程がある業界の現在までの批評だけだからだ。

正直、はぁ、そうだったんですか。としか言えない。

大体にして、無理があるのだ。全ての作品をひとくくりにして「〜系」等とカテゴライズして社会を語るなんて。

確かに『エヴァンゲリオン』以降、「セカイ系」というような作品は目立ったような気がした。
それをバカバカしいなぁとも思った。

だけど、実際には「セカイ系」作品だけが世間に氾濫していたわけではない。
それは、一部のアニメとラノベとギャルゲーだけの話だ。

それこそセッマイ批評業界の中ではそれだけが批評されていたのかもしれないが、そんなことは知ったこっちゃない。
『エヴァンゲリオン』と『オウム』に拘泥し、社会も文化も矮小化して語りたい社会学者達だけがそう思っているだけなのだ。

例えば、『スレイヤーズ』は『エヴァンゲリオン』と同じ1995年に始まったライトノベルからアニメ化してヒットを飛ばした先駆的作品である。
フォロワーも多く、最近も新シリーズが放送された。
『エヴァンゲリオン』で綾波役をやった林原めぐみが同作でも主役のリナ・インバースを演じたことからも当時、アニメを観ていた人間には印象が大きい。
他にもメディアミックスで大成功を収めた『天地無用』も90年代の代表作品といっていい。
しかし、この評論で『スレイヤーズ』や『天地無用』が論じられることは一切ない。

なぜなら、この作品が90年代の閉塞した時代感を象徴していないからだ。

社会全体がさも、全て「終わりなき日常」に絶望し、メディア作品も、そんなものしかなかったと言いたいのは宮台真司を中心とする社会学者だけだ。少し視野を広げただけで、そんな作品こそ少なかったということがすぐに露呈するだろう。

それこそ、この著者が言うクドカンのドラマを評価しないサブカル評論家と同じなのだ。

文化は多様だ。特に昨今ほど文化の在り方が多様で様々な価値観が混在する時代はない。
それを「サヴァイヴ系」だか「セカイ系」だか知らないが、そんなもので一つ二つにカテゴライズは到底不可能だ。

評論家ができるのは一つ一つの作品の背景を丁寧に調べ、それを読者に判りやすい形で提示することだけだ。

正直、それができてもいないのに評論家だなんてちゃんちゃらおかしい。悪いけど。

「ブクロサイコー」が宮藤官九朗の考えたセリフでないことも、『木更津キャッツアイ』がガイ・リッチーの『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と自身の舞台『熊沢パンキース』という暗い作品が基になっているとも、地域に拘っているのはTBSで磯山Pと組む時だけなのも調べれば判ることだ。松尾スズキの舞台は一度でも観たことがあるのだろうか?クドカンを語るのに松尾スズキのことには一切触れない等、正直、評論としては失格だろう。

結局、普通の人が普通に調べても判るようなことを見逃して社会とサブカル評論にかこつけて自分語りをしたいようにしか思えないのだ。

とは言え、ここまで情熱を持って意味が判るようで全く判らない事をこんなに書ける人はそうはいないだろう。

宮台真司といい、頭のいい人は一周回って超バカだということを教えてくれる一冊。
このレビューは参考になりましたか?
142 人中、112人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By myomin
形式:ハードカバー
95年から00年以降の時代に対する著者の分析には、堅実というか頷けるものがありました。
しかし家父長的、男性的価値観を「レイプファンタジー」といったレッテルで断ずるように、作品の是非に対する姿勢にはやや一方的な感じがします。
また著者は社会、歴史による個人の認証(平たく言えば社会に認められる=成長)、や父性の復権といった価値観を旧来のものとして、それらを主張する作品に対して、商業的な失敗を以てこれを批判している様に見受けられますが、そうした批判自体「社会的価値観(この場合市場原理)」による「家父長的」な断定なのではないでしょうか?

時代に迎合しない価値観を一種のマイノリティ、とでも言うなら、流れに沿うかどうかで是非論を主張する著者の姿勢に、私は馴染めないものを感じました。
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155 人中、119人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
形式:ハードカバー
筆者はまず、2000年以降つまりゼロ年代の批評の空白、批評家たちの怠惰を責め、東浩紀的なひきこもり=セカイ系的想像力が、もはや古いという視点に立っていることを明示。東以降のエピゴーネンも含め、ひきこもり=セカイ系に内属すること自体が一つの排他的な暴力であり、一つの立場を選んだ「決断主義」であると指摘。本書では、その決断主義の地平をコミュニケーションを駆使して生き抜く「サヴァイブ系」なるものの台頭を、サブカルを通じて論ずる。

帯でかの宮台真司が推薦文を書いてるが、読んでみると著者は文体からして宮台の影響をものすごく受けていることがわかる。しかし、内容には筋が通っているもののその土台となる「大前提自体が間違ってやしないか?」という疑問が浮かぶのも、哀しいかな宮台と似てしまっている。
エヴァやAIR等のギャルゲーをあげつらい、「零落したマッチョイズム」と批判している。しかし、特に後者は消費者にとってのマスターベーションファンタジーとして扱われているきらいが高い。有り体に言えば「おかず」なのであるから、それらをクドカンなどの他のサブカルと同列に扱い批判するのには、ちと無理がないか?もっとも、「それら」を最初に批評活動の土台に挙げたのは大塚英志や東であり、この著者は彼らの大前提に乗って議論を組み立てていると言える。
そもそも、「東的なるもの」というのはオタク文化であり、いくらそれが広大していようと、日本の全人口の何割がオタクなのだろうか、という話だ。批判の矛先があまりにも近視眼的すぎる。そしてさらに言えば、彼らが引きこもるのには理由があり、それはコミュニケーションに敗れたからだ。そんな彼らに、「それはマッチョイズムだ!」だなんて。
とどめを刺してどうする(笑)

この人の結論は、ハーバマスのポストモダニズム批判と似ている所がある。パースパクティブ的、相対主義的なポストモダンにおいても、対話による理性の構築は可能であると。
だが、これはハーバマスにも向けられる疑問だが、そんなこと実際に可能なのか?そして、コミュニケーション自体に参与しない「他者」はどうするんだ?誰とでもコミュニケーションをとれるという前提に立っていることこそが、近代的な、いわばマッチョイズムではないのか?

コンテンツに関する膨大な知識量には舌を巻くが、それらひとつひとつの解釈を数珠つなぎのように連結していく作業が、あまりにも恣意的すぎていて怪しい。ロリコンの一大勢力でかつ、日本中で大ヒットした宮崎アニメが全く論じられていないのにも疑問が残る。そしてそれら作品と社会が、どうつながっているのか、この人は精査しているのか。社会学にありがちな素朴な作品の社会反映論だろう。

何よりも、この人は批評家としてどうなの?と思う箇所がある。
東的な想像力は古く、それに対してサヴァイブ系(この人は限りなく「俺の」と言いたいのだろうが)の想像力は新しい。前者は過去であり、後者が最先端。そして、つきつめれば新しいからこそサヴァイブ系が「正しい」のだと。まともに考えて、みなさんはこれが批評行為と言えるだろうか。僕は絶対にそうだとは認めたくはない。
このリニア的で、時代は常に移ろい、それを代表する価値観は常に一つという考え方は再考できないのか。ひきこもり=セカイ系の想像力とも共存できるのが、真のサヴァイブ系、ではないだろうか?
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