本書は、経済政策全般を、「成長政策」「安定化政策」「再分配政策」の3つの柱に分類・整理し、解説した本です。
私は、本書を読みながら、
(a) 良い意味でも悪い意味でも、教科書的なテイストの本と感じる
(b) 「大学の経済学部で経済学の基礎を学び始めた」程度の知識がないと少ししんどい内容であり、「経済政策のズブの素人」が読んでも何が書いてあるか理解しにくいのではないか
(c) 反面、経済学部出身の人によっては、やや物足りない内容ではないか
(d) しかし、これだけの内容を1冊にまとめ、しかもそれなりに分かりやすく書いてあるのはとても評価できる
と感じました。
このような感じがする理由を、本書の「あとがき」を読んで理解できました。そこには、概ねこのように書かれています。
(a) 著者は4年前に「
ゼミナール 経済政策入門」を出版した。その本は好評であったが、教科書として採用してもらった諸先生から「入門の教科書としては難しすぎる」と言われた。そこで、そのジュニア版を書くことにした。
(b) なお、「教科書」的な記述に加え、著者の感情と価値観に基づいた判断を添えるようにした。
本書は、幅広い内容をコンパクトに上手に解説しており、経済学の初心者が知識を整理するためには、とても有益な本と思います。
また、私のように、昔、経済政策を学んだ者にとっても、けっこう懐かしく、興味を持って読めました。最近では、小泉政権のスタンスが(良い悪いはともかくとして)はっきりしていましたが、そのあとの政権は、経済政策的にがどちらを向いているのか判然としないまま、景気対策として補正予算が漫然と組まれているような気もします。
(上記のように、知識がなさすぎる人や知識を有する人にとってはあまり有益でないかもしれませんが)、幅広い人が本書のような本を読んで、「経済政策はどうあるべきか」に関心をもつことも重要かもしれません。