私自身、MBA受験を経験した者ですが、MBA受験において最も現実的な壁となるものが1,留学費用 2,英語力 3,地頭の良さ、です。
筆者が仮に留学費用も工面できず、英語もからっきしで四流大卒業、というスタートラインからMBA受験を開始してコロンビアに合格したのであれば、まさにそれは「ゼロからの合格」であり、この本を手に取るほぼすべての人が「同じように自分にもゼロからMBAが目指せるかも」という動機付けを行わせるに足る体験記&ノウハウ本としての価値があると思います。
しかし皆さんのレビューでもご指摘の通り、彼女は留学費用は親から工面(普通の家では親はそんな大金持ってません・・)、帰国子女(通常、MBA受験においては非帰国子女は帰国子女の倍以上は苦労します)、東大卒(MBA受験には数学も必要なので、国立大卒は私立大卒に比べて圧倒的に有利です)という1〜3の壁をものともしない、MBA受験生の中では最もヒエラルキーの高いステータスをお持ちです。
彼女のようなステータスを持っていない人がこの本を読んで「自分にもMBAが目指せるかも」と勘違いして受験準備を始めたとしても、とりあえず著者が初回のTOEFL受験で獲得したPBT580点というレベルに(仕事を続けながら)達するだけでも通常2〜3年かかるのではないでしょうか。
また海外MBAに私費で行く場合、2年間で通常1500〜2000万と言われる留学費用の工面をしなければなりませんが、30歳前後でこんなお金を貯められるのは超一流企業に属するほんの一握りのエリートか、親が裕福な人だけです(ちなみに私は社費です)。
そんなこんなで、この「ゼロからの」というタイトルをどういう意図でつけたのかいまいち理解できませんが、もしお金も英語力も学歴も無い故に自分を「ゼロ」と思っている人達がこの本を読んでMBA受験を思い立ったとしても、彼女のようなサクセスストーリーを歩める可能性は正直、皆無に等しいと思います。
昔よりMBAの取得が一般的になってきたとは言え、まだまだ海外MBAは誰もが手軽に目指せる類のものではないと思います。安易なタイトルで無責任な煽りを入れるのはやめてもらいたいものです。