「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」という題名だけ聞くと、なんとなく
ハリウッドブロックバスターアクション物を想像してしまいがちですが、そういうノリでこの映画を見ると痛い目を見るかもしれません・・・
なんせ2時間40分、この映画では石油が噴出する以外特にこれといった派手な
アクションは起こりません。しかも始まって15分がセリフがなく、そのままローテンションで、ホラー映画のような定まらない不協和音をバックにストーリーは進行していきます。
映画の中で映し出されるのは、顔の分別もつかなくなるめで淡々と油田をくみ上げる男達と、幼い息子のH・Wを伴って油田を探す圧倒的な野心を秘めたプレインビューの姿です。血のつながりへの執念、そして異様なまでの競争心が彼を恐いおっさんへと変貌させます。
一方でそんなプレインビューと対照的に描かれている宗教家イーライ・サンデーは、血のつながりには
意義を求めず、宗教というつながりで自己顕示欲を満たそうとします。
どちらもまったく違うベクトルで生きているように見えますが、この映画の一番衝撃的で恐ろしい(逆に笑える)ラストシーンで二人は結局、同じ穴の狢であることが提示されてしまいます。
その他にも、いくらでも深読みできるような暗喩が仕掛けられており、正直人を選ぶ作品ではありますが
、この先10年、20年と残っていく作品だと私は思っています。
あの懺悔シーンのダニエルデイルイスの眉間に浮き出た血道が出せる日本人俳優ははたして居るのでしょうか・・・