家族って何なのだろう?
観終わってから、じわじわと考えに耽ってしまう。
原作は戯曲家のアーサー・ミラーの作品。
自分は多くの人々に好かれている完璧な人間、と家族に吹聴するセールスマンのウィリー。しかし実際は周りから煙たがられ、2人の息子とも上手く付き合えない不器用な人間。そんな彼が次々と不幸に見舞われ、悲劇的な結末を迎えるという内容。
アメリカではスペシャルテレビドラマとして作られた作品だが、キャスト・演出どれをとっても必見の価値あり。
特殊メイクで老けた初老男に扮したダスティン・ホフマンと、30歳を過ぎても定職に就けない長男役のジョン・マルコヴィッチの熱演はいつまでも記憶に残る。
完璧と信じていた父親の浮気現場を目撃して絶望し、何事に対しても投げやりになった長男の姿がなんとも切ない。そしてそんな夫を最後まで信じ、息子たちを叱責する健気な妻。
原題のPrivate conversationが示す通り、物語は現在・回想・ウィリーの妄想の世界を交えて進行してゆく。
話し合った家族が一致団結したかに思えた矢先、職場をクビになり、息子の未来も潰えたと知ったウィリーの最期は観る者の胸に迫ってくる。
そして、家族以外誰も来てくれない葬儀のシーン。
理想と現実の違いを悟る長男と、相変わらず大きな夢を語る次男の会話を残し、静かに終わってゆくラスト。
娯楽映画では決して味わえない深い余韻に包まれた映画です。