丁度今職場の高校で学校祭シーズンで、高校生の生の躍動を描いた映画を見続けて本作に辿り着きました。懐かしかったです。そしてリメイクもされた今現在の眼差しで見て分かったことがありました。トップアイドルだった薬師丸ひろ子をクレーンで吊してコンクリートにぶち込んだり、ブリッジさせて“カスバの女”を唄わせたり、北村和夫にベタベタといやらしく体を撫でまわさせたり、「いい匂いです」と組員が胸に顔をうずめたり…。主題は明らかです。この映画は少女だった泉がマユミの様な成熟した女性になる通過儀礼の物語なのです。だから不似合いに真っ赤な口紅をつけ、亡き父親に決別して最後に佐久間に口づけをし、ラストでもセーラー服をまといながら実はその内に「大人」を秘めて子どもと接していく訳です(それは不釣り合いに真っ赤なハイヒールと、地下鉄が走りM.モンローの如くスカートが膨れあがるシーンを同時に展開させていることから分かります)。
マユミは70年代に泉が生きていれば辿ったであろうもう一つの可能性を示して実に興味深い存在です。彼女はきっと相米監督たちがおくった70年代の群像の中で出会ったであろうアフターヒッピーの女性を体現するものです。しかし時既に80年代になり、10代の少女が母・恋人・大人として期待される時代が到来していました(いみじくも薬師丸ひろ子は『ねらわれた学園』で1人の男性への思いを通して人々の運命を任せられ、さらに『風の谷のナウシカ』では一少女に全世界の運命が託せられていました)。この映画も薬師丸ひろ子という時代を象徴する1アクトレスの最も旬な時期を見事に活写し、そして彼女は順風なキャリアを振り切って大学進学、そして誰もがびっくりした玉置浩二との結婚という選択をしていきました。これもまた1つの見事な80年代的女性像。その結節点にこの映画があります。そんなエポックメイキングな傑作です。新しい世代の方々にも是非!