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すっきりと頭に入ってくる話の運び、時としてさしはさまれる意外性。それらが仏文学者にふさわしい「えすぷり」にくるまれて、一話一話楽しく上品な読物になっている。
とくに私の印象に残ったものとしてはヴェルサイユ宮殿にトイレがない話で、これ自体は有名な事実として知る人も多いと思うけれども、もっとつっこんだ話題が展開される。名前がなくなっても実体はなくならないということ、あるいは実態は厳然として存在しつつ言葉だけが失われるとどういう不都合やおろかしさがあらわれる!!かということ、これはすなわち現在の日本の社会が今まさに直面している問題にほかならないと思う。
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