この作品を10年くらい前に見たときは、目の見えないアルなんてこちらを見つめてくれないので何か物足りなく思ってしまいました。でも今回見て、とても意味深い映画だとベストの評価をつけてしまいました。これは人生に絶望している時の人へのアルからのメッセージだと思いました。人は何か自分が他の人間のために生きられることを感じて、人生への希望を持てるということを伝えている作品です。アル・パチーノは背が低いためか、ハンサムなのにロマンスの作品に出してもらえないのでしょうか。70歳になったアルの恋愛映画を是非高齢者たちのために、作ってほしいと思います。若い女の子ばかりに恋するダサいオジサマでなく、年相応の大人の女性と共に年月を重ねた男女が持ち合える人生への共感を是非スマートなアルに演じてもらいたいです。またこの映画の2曲のタンゴ、「ポル・ウナ・カベザ(首の差で)」と「ラ・ヴィオレテラ(すみれ売りの女)」はとても美しくて、中味の濃い音楽です。イタリア人のアルでなければ似合わない。オール・アメリカンなハリウッドスターではとてもこなしきれないセンスを持ち合わせていないと、この主人公フランクの哀しみを演じきれません。この作品をオスカーを長年取り損ねたアルのための作品と言う必要はないと思います。