クライマックスの演説のシーン、劇場で観た時は文字通り圧倒された。演説が終わった時、スクリーンの中の生徒達のように思わず拍手しそうになった記憶がある。そのシーンでのアル・パチーノの演技に打たれたのは勿論なのだが、ここでは字幕の比類無き力強さも大きく影響していたと思う。
後年、待ちに待ったDVD化で再見を果たす。齢を経て、皆さんが仰るようにベタな演説だと感じる部分もあるが、あの時の感動が揺らぐことは無く、やはり素晴しいシーンだった。
しかし、何気なく切り替えた日本語音声を聞いて思わずぶっ飛んだ。彼のしゃがれ声が、通りの良い美声に変わっているのは仕方が無いのだろうが、何よりも吹替えの内容に愕然とした。何と言うか、字幕と全然違うのだ。特に、最も感動的な「...魂に義足は...」の所など、目ならぬ耳が点になるほど驚いた。その後英語字幕を重ねて見たが、どうやら吹替えの言葉の方が脚本に忠実なようである。
今となっては推し量ることは出来ないが、もし初見での字幕が、全編吹替版のような表現や言い回しであったなら、これ程心に留まる映画になっていただろうか。字幕が担う役割というものについて、改めて考えさせられる一本となった。
余談ですが、この作品でアカデミー主演賞を貰って本当に良かった。ポール・ニューマンみたいに、他に幾らでも相応の作品があったのに、あんな映画で獲って可哀相とか言われるのはとても悲しいので。