顔だけが取り得の売れないモデル(春巳)と、誠実で無骨な大学院生(仙介)の幼馴染みカップルのお話です。
確かに春巳は、我侭で子供で口が悪いのですが、変なプライドが邪魔して意地を張ったり、気持ちとは違う言葉を口にしたりして
恋愛がうまくいかないジレンマがよく伝わり、読んでいてせつなくなりました。
春巳に何年も振り回されても忍耐強く、無言で甘やかしてくれる仙介は本当に男前です。
そんな仙介にとうとう突き放されて、自暴自棄になりながらも次第に自分と向き合い、自立しよう、素直になろうと少しずつ
変化していく過程から二人の気持ちが通じるまで、焦れったくハラハラしながら読みました。
春巳にちょっかいをかけてくるカメラマンの日和佐とか、
読者の気持ちを代弁するかのように春巳に辛辣な言葉を投げつける仙介の大学の友人(女)の存在も外せません。
砂原さんの本は初めて読みましたが、色々なエピソードを織り交ぜながら恋愛がまとまっていく充実した内容だったので、
他の作品も是非読んでみたいと思いました。
多くのBL小説は一度読めばそれっきりなのですが、これは時間が経ってからまた読んでみたいです。
好みの作家さんに出会えて本当は☆5くらいの気持ちなのですが、もっと良い砂原作品に出会えることを期待して☆4にしました。