☆我が日本では、地方限定公開に踏み止まり、ひどく冷遇され、観客動員も不入りだった。今やアメリカ映画界の大御所、クリント・イーストウッド監督&主演作品中、最も過小評価されている勿体ない感動の名品。俳優だけではなく、この映画で監督としても一流の才能があることを世界に知らしめた記念すべき作品。クリント・イーストウッドの実の息子である、カイル・イーストウッドと親子共演を果たしているのも大きな話題を呼んだ。舞台は大恐慌時代のどん底のアメリカ。レッド・ストーバル(クリント・イーストウッド)は大酒飲みのだらしない流れ者=(カントリー歌手)。そんな彼の夢はカントリー・ミュージックの聖地、テネシー州のナッシュビルで開催されるグランド・オール・オープリーに出場する事。だが、酒の影響で体を病み、不健康なレッド・ストーバルを心配した彼の姉は、音楽好きの真面目な息子、ホイット(カイル・イーストウッド)を付き添いとして旅立たせることにした。そして、死ぬ前に故郷に帰りたいというホイットの祖父(ジョン・マッキンタイア)も旅に同行。こうして、3人の流しをしながらの旅が始まる。という、ロード・ムービー。明るい人情味と愉快なユーモアを交えながらホイットとの熱き友情と絆、家族愛、音楽を主題にしたテーマを中心に物語が展開され、旅の途中に出会った様々な人たちとの心温まる交流と珍道中も丹念に描かれている。クリント・イーストウッドもかすれた渋い美声?を披露してくれる。甥のホイット役のカイル・イーストウッドも実に素晴らしい好演。素材の古さと時代背景にも媚びない卓越したクリント・イーストウッド監督の自然体の演出力にも舌を巻く。構成的に、もたつく部分が見受けられるが、あまり気にならない。田舎町の味わい深い日常風景や心和む優しいエピソードも満載。そして、物語の後半、念願の夢が実現しかけた、その矢先、レッド・ストーバルが悲痛な最後を迎える結末も胸を打つ。純粋でおおらかな雰囲気を全編に漂わしながら、人間性を尊重した潔さも特筆に値する。クリント・イーストウッドの喜怒哀楽の全てが充満した大傑作です☆。