クリント・イーストウッドといえば誰もが知っている映画監督・俳優ですが、元ラグタイム・ピアニストだとか、また高名なジャズのアレンジャーであるレニー・ニーハウスとお互いが無名の頃からの友人だとか、これまでジャズと関係の深い映像をたくさん撮ってきていることはあまり知られていないのではないでしょうか?
この作品は、そんなジャズ愛好家であるクリント・イーストウッドがプロデュースした、ジャズ・ピアノの巨匠;セロニアス・モンクの往年の映像をもとにしたドキュメンタリーです。モンクの演奏する貴重な映像に舞台裏の様子や本人・家族・友人たちのインタビューなどを織り交ぜながら、天才・奇人・偉人などと称された「伝説の人間」を丁寧に解きほぐした感動的な作品となっています。
もちろん演奏の映像も素晴らしく面白いものですが、このピアニストが自分の音楽に誠実であった様子も十分に伝わってきますし、また双極性障害(躁鬱病)を患ったごく繊細な人間で妻の支えがないと人間関係を維持できないほど臆病な人間であったことなどは、新鮮かつ衝撃的でした。
おそらく献身的な妻と理解あるミュージシャンの友人の支えがないとあの音楽が存在しなかったのだと思うと、さまざまな不思議な偶然に感謝せずにはいられません。
ちなみに、この映画はジャズ・ファン以外には全く面白くないと思います。