幅広い領域の歌をカバーする今まで通りの作りですが、これまでのアルバムで感じられていた全体のまとまりは希薄になっていて、収録できていなかった曲を寄せ集めた感じです。ネッラ・ファンタジア、サラ・ブライトンマンの名唱があります。モリコーネがカバーされるのを拒んでいた曲ですが、このCDでは妙なアレンジで大切な主旋律が不明瞭となり、オリジナルのイメージが失われかけています。グラナダも、時間がなかったのか、原語歌唱でないため違和感があり、いきなり、いわゆるサビの部分から入るのも流れが不自然です。途中の間奏は素晴らしいので惜しいと思います。オペラ・ミユージカルの楽曲の中にもメゾには合わないものがセレクトされ、カバーしてあるに留まっています。力強い声に変わりつつありますが、同時に、ビロードのような柔らかな繊細な響きが失われつつあります。恐らく歌い過ぎでしょう。気をつけてほしいと思います。