上巻で状況設定を一気にやってしまったので、下巻では人物や心理状態の描写に割く余裕が出て話に深みが生まれ、
ストーリーも予想しないような方向に展開するので、最後まで一気に読めてしまった。
“誰が”“何のために”の説明が結局ないことは、上巻の巻頭で謝辞を捧げた2人の作風から考えれば、異論は無い。
また、結末が明るいのか暗いのかが明確でないのも気にはならない。
大好きな初期傑作中篇「霧」と読後感が似てなくもないし・・・。
ただ、最後の最後の展開には納得がいかないんだなぁ。
突然「ペットセマタリー」のような方向に持っていかれて、テーマが一転してパーソナルなものになってしまったように感じたことと、
さらに“句読点”なのか“ピリオド”なのか釈然としない結末に、プッツリ切られてしまった印象を拭えないこと、が主な理由。
(旅路のルート説明の中でミクマク族の話題が出てきて、懐かしいとは思ったが・・・)
・・・でも、最初から主人公クレイは妻と息子の安否を気遣っていて、それがすべての行動のエネルギー源だったから、
その点では落とすところに落とした、と言えなくも無い。
ということで、長年の“あばたもえくぼファン”としては、
久しぶりにとんでもない非日常空間につかの間連れていってくれたキングへの感謝の気持ちに寄り切られ、
甘い採点になってしまいました。上巻とあわせて、★9個(10個満点)。
・・・甘いなぁ・・・。