大型本で値段も結構なものです。
カレンダーのように縦にめくります。違うな。横にして上下にめくるというのかな。これは写真を最大限大きく載せるためでしょう。
紙は電話帳のような香りがしますが、写真はカラーで豊富です。
雑誌に掲載(連載?)されていたものを集めた本のようです。
紹介されている建築(作品)は28点。会社の製品とかお祭りの舞台とか、建築ではないようなものもいくつか含まれています。
著者は早稲田大学教授です。
本書ですが、これは素晴らしい。
まあ、建築に興味のある人間なら、本書に出てくる建築のいくつかは既知だとは思います。
しかし、美しい大きなカラー写真と著者の解説(想いの記述)はこの本ならではだと思います。
文の方は専門家ならではの構造の解説などはほとんどなく、社会的意味とかの記述が多いですね。
圧倒的多数の人が参加せざるを得ない「お買い物競争」で、異様な高価格の住宅にからめとられてしまいがちな大衆が自由を奪われる不幸、あるいは主体性を失った「お客様感覚」で内なるものにしか興味を持たない現代日本の病理、みたいな。
私も、昨今散見される自殺志願(どうせ死ぬなら歴史に名を残そう)のような無差別殺人者などの根っこは、ここにあるような気がします。豊な社会が生み出した大人の皮をかぶった幼児。
まあ、全員参加の共同作業によって成り立っていた村落共同体が崩壊したので、しょうがないという面も多々あるのでしょうが・・・。