私は糖尿病を専攻する臨床医をしています。心理臨床に関してはまだ初心者です。本書を、前作「セラピスト入門」に続いて読みました。
本書は、初学者である私に「システムで考え、システムを見て、システムに介入していく」というシステム・アプローチの基本を、ありありと強烈に実感させてくれました。これは見事!としか言いようがありません。
また本著にはシステム・アプローチに関する実践的なアドバイスが満載されています。それは例えば、直線的認識論から円環的認識論への転換であり、クライアントの枠組みを尊重することの大切さとその技法などです。
著者の執筆スタイルは、ちょうど一昔前に流行ったMacのスケルトン・デザインPCのように、著者の頭の中の思考過程、心の内の葛藤などを、あたかも読者が透見できるように、リアルタイムに再現しながら解説しています。これによって、読者は、セラピーのテクニック以前の考え方、心構え(実はこちらの方が重要!)について学ぶことができるので、きわめて実践的な書と言えます。
虫退治のケースも大変興味深く読みました。これはまさにマイケル・ホワイトの「スニーキー・プーsneaky pooh(ずる賢いプー)」の上を行く、見事な外在化で、深く納得しました!
心理臨床に関心のある初学者にぜひお勧めしたい。