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セメント樽の中の手紙 (角川文庫)
 
 

セメント樽の中の手紙 (角川文庫) [文庫]

葉山 嘉樹
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

ダム建設労働者の松戸与三が、セメント樽の中から発見した手紙には、ある凄惨な事件の顛末が書かれていた・・・。教科書で読んだ有名な表題作ほか、小林多喜二にも大きな影響を与えた幻の作家・葉山嘉樹の作品集!

内容(「BOOK」データベースより)

ダム建設現場で働く男がセメント樽の中から見つけたのは、セメント会社で働いているという女工からの手紙だった。そこに書かれていた悲痛な叫びとは…。かつて教科書にも登場した伝説的な衝撃の表題作「セメント樽の中の手紙」をはじめ、『蟹工船』の小林多喜二を驚嘆させ大きな影響を与えた「淫売婦」など、昭和初期、多喜二と共にプロレタリア文学を主導した葉山嘉樹の作品計8編を収録。ワーキングプア文学の原点がここにある。

登録情報

  • 文庫: 195ページ
  • 出版社: 角川グループパブリッシング (2008/9/25)
  • ISBN-10: 4043917015
  • ISBN-13: 978-4043917013
  • 発売日: 2008/9/25
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 0.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シネマA トップ500レビュアー
形式:文庫
 おそらく、つい先日、小林多喜二の『蟹工船』がふたたび脚光を浴びたおかげで、わが国のいわゆるプロレタリア文学の草分けとでもいえそうな葉山嘉樹の作品まで文庫本で復刊されることになったんだろう。でも、せっかくの好機であることだし、『蟹工船』に感銘を受けた読者には、ぜひ一読をおすすめしておきたい。

 表題作のほかに「淫売婦」「労働者の居ない船」「牢獄の半日」「浚渫船」「死屍を食う男」「濁流」「氷雨」という全部で8篇の短篇小説を収録。大正末から昭和の初期にかけて発表された作品だけど、改行が多くて大味かつ平明な文章で書かれていて、たちまち読み終えてしまう。どれも主題が強烈で明快である。

 作中でリアルに描かれた当時の日本の貧困と、わたしたちの生きている現代社会の貧困とを比較して、いったいどこか共通していて、どこが異なっているかを考察することは、とても意義深いことではないかしら。

 なんといっても葉山嘉樹が実際に放浪しながらさまざまな過酷な労働現場や獄中で身をもって体験した現実に基づいて執筆しているという迫力がすごい。巻末の解説と年譜がかなり充実していて参考になる。ある意味、本篇よりもそちらのほうが読みごたえがあったかもしれないくらいだ。

 私は、作品の内容よりもむしろ作者自身の波瀾万丈の生涯のほうに強い興味をおぼえてしまった。うーん、女性関係なんか、もう相当にムチャクチャな人生だったみたいです。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
徹底して悲惨な1920年代30年代の底辺労働者の生活の記録・・しかしプロレタリア文学と呼ばれた小説群のうちのいくつかが今なお文学として読むに値するとしたら、それは底辺の生活に現れる人間性を徹底的に観察してやろうという作家の執念にも似た気迫の故であろう。工場労働者がついには自分が作っているセメントと一体化してしまうという「セメント・・・」はそんな一つといえるだろうが、ここでは悲惨が極に達してある種のグロテスクユーモアになっている。恋人を失った娘が「あの人は立派なセメントになったかしら」と心配するとは!人間性の喪失があのぐにゃりとしたセメントの質感とともに不気味に具象化されている。これはモダン・ホラーにも通じる感覚だ。怖いですよ。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By MIKE
形式:文庫
収録作品の中で特に『淫売婦』が良いです。初めて読む時はその凄惨さにジャック・ケッチャムの猟奇作品など連想しましたが、読み終えた時にはまったく別のジャンルに変わっていました。吐き気を催すような描写の連続にもかかわらず、むしろ読後感は爽やか… 日本にもこんなとんでもない作家がいたんですね。
青空文庫にも収録されていますが、それでも本棚に必携の一冊かと。
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