21世紀になってこんな1930年代のジャンゴ・ラインハルトやステファン・グラッペリを彷彿とするミュージシャンと再会するなんて驚きでした。
マヌーシュ・スイング(ジプシー・スウィング)系の音楽とは離れていたこともあって、その道では有名なチャボロ・シュミット(Tchavolo Schmitt)を初めて知ったわけで、自分の不明を恥じるばかりです。
6曲目の「リヨラ・ボッサ」もそうですが、ご機嫌な音楽ですね。チャボロ・シュミット作曲のこの曲は、コステル・ニテスク(Costel Nitescu)のヴァイオリン・ソロのあと、チャボロ・シュミットのギター、そしてジアニ・リンカン(Giani Lincan)のツィンバロムと続きます。このツィンバロムの躍動感がまたたまりません。ロマ系のヴァイオリンの魅力も十二分に伝わってくるものでした。
「スウィング48」のチャボロ・シュミットの驚異的なギター・テクニックは聴きものです。「真夜中のジュリア」と「真夜中のポール」では、抒情的な見事なギター演奏を披露しています。達者な奏者ですし、聴く者を徐々に興奮させる魅力が詰まっていました。この2曲のギター・ソロを聴いただけで只者ではない巧さと凄みが伝わってくるでしょう。
ジャンゴ・ラインハルト作曲「夢の館」でのムーディなヴァイオリンの音色の美しさは特筆ものでしょう。古き良きパリの香りが感じられる演奏でした。
「回りくどい呼び出し」は快演でした。ライヴで聴いたら拍手喝采間違いなしですね。臨場感が伝わる録音の良さと相まってステキな音楽になっていました。
リーフレットの解説を書いた音楽評論家の松本學氏のコメントの一つ一つがとても参考になりました。まさしく先達は必要でした。