ジョン・ウィリアムズが手掛けたスコア(世界的チェリストのヨー・ヨー・マが演奏)と、詩的で壮大な映像が美しい。また、ダライラマを演じる少年の純粋無垢な瞳と素朴な演技が、大変素晴らしい。慈愛に満ち、ウィットと知的好奇心に富んでチャーミング。彼を見るだけでもこの映画を鑑賞する価値がある。
今も中国共産党に武力支配されているチベットでこんな映画作れるわけないので、アルゼンチンでロケ。ラサの街並みやポタラ宮はセットで再現されているが、実物の写真と見比べないと偽物とは思えないほど。ロケーションも素晴らしい。
いつもより地味だが、ブラピ演じるハインリヒ・ハラーもいい。ちょっと自分勝手でお人好しなキャラが似合っていて微笑ましい。
あと、この映画、中国共産党のプロパガンダにどっぷり浸かっている親中派の人にはオススメしない。というかそういう人はこのようなテーマの映画はあえて避けるであろうが。ある意味、踏み絵かリトマス試験紙のような映画。
現在でも、中国はチベットのみならず東トルキスタンなどの周辺の国々を武力で堂々と侵略し、容赦ない弾圧・資源略奪・文化破壊・産児制限や強制中絶などを行い、我々の目の前でゆるし難い民族浄化が進行中である。日本のマスコミは一切これらに触れようとしない。もちろん映画としても優れているが、この映画を通じて中国と周辺諸国の現状にも興味を持ってほしい。
興味を持った人は、講談社から出ている「中国はいかにチベットを侵略したか」を是非読んで下さい。